空間で活きる家具の在り方とは。「DAFT about DRAFT」デザイナー山下泰樹に聞いた
今の暮らしでは、すべての要素を同じスタイルで統一することは、あまり見られないケースかもしれない。けれど山下が考えるように、家具とそれが置かれるインテリアがつながりをもつことは、人の心持ちにきっと影響する。2023年に山下が再設計した代官山の「Villa ASO」では、1997年の創業以来初の改修にあたりデザインをかなり変えたが、「以前と変わらない趣がいい」と、具体的な変化には気づかないゲストが多いそうだ。それは新しいデザインが元の空間にしっくりなじんでいるからだろう。 「それこそが狙いです。たとえるなら、ヘアサロンに行って、ずいぶんとヘアスタイルを変えたつもりなのに、その人に似合っていて、以前からそうだったようにしっくりくる髪型である場合、周りは変わったことに気づかないものです」 BY KANAE HASEGAWA