[MOM980]新潟医療福祉大MF田澤夢積(3年)_後半3発逆転劇を呼び込む同点弾、青森山田仕込み“全国での強さ”
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [9.9 総理大臣杯準々決勝 日本大1-3新潟医療福祉大 いわぎんB] 【写真】ジダンとフィーゴに“削られる”日本人に再脚光「すげえ構図」「2人がかりで止めようとしてる」 前半を1点ビハインドで折り返した新潟医療福祉大(北信越1)だが、慌てる様子は一切なかった。すると後半7分、MF松本天夢(4年=高崎経済大高/長崎内定)が中央をドリブルで突破。エリア内で出したパスからMF田澤夢積(3年=青森山田高)が左足を振りぬく。逆転勝利を呼び込む口火を切るゴールを決めた。 「天夢君が持った時に、自分の方に向かってきてたんで、どこのポジショニングを取ろうかなと思ったんですけど、左利きなので、左で打ちたいなと思った。だから内に入らずにそのままのポジションを取って、そしたらちょうど左足のところに出してくれた。ディフェンスの選手がスライディング来てるのがちょうど見えたので、キックフェイントを入れた。あとは気持ちで押し込んだ感じです」 試合前に懐かしい顔とすれ違った。同会場の第一試合で明治大と阪南大が対戦。引き上げる明治大の選手の中に、中高を青森山田でともに過ごしたMF藤森颯太の姿があった。「すれ違ったくらいだったのであまり話せなかったんですけど、『頑張れよ』『絶対勝つよ』という会話をしました。普段は地方にいるので、あまり昔の仲間に遭うことは少ないのですが、全国大会にくると友達にもたくさん会えるので刺激になります」。 全国大会での強さも発揮した。青森県青森市出身の田澤は、中高を青森山田で過ごした選手。藤森やMF松木玖生らとともに高校3年生シーズンは、インターハイ、プレミアリーグ、高校選手権の“3冠”を達成した。田澤もレギュラー格としてプレーすると、プレミアWEST王者の広島ユースと戦ったJFA競技会委員長杯で得点を決めるなど、印象的な活躍をみせていた。 レギュラー争いが厳しい新医大の環境に身を置いたことで、個人としてのレベルアップも感じているという。「結果を出さないとスタメンが変わってしまう。だからどんな相手でも気を抜くことができない」。北信越では力の差がある相手との試合もあるが、常に意識を高くして臨めているようだ。 北信越リーグ7連覇中と圧倒的な力をみせる新医大は、卒業生からも現在J2で得点ランキング2位のFW小森飛絢(千葉)や同4位のFW矢村健(藤枝)らを輩出。全国でも結果を残す強豪大学として知名度を高めている。 ただ22年の大学選手権(インカレ)で準優勝はあるものの、全国制覇はまだない。「高校の時は追われる立場を感じていたけど、大学では関東のチームを食ってやろうというチャレンジャー精神が強まっている。今大会も1回戦は自分のミスで失点してしまって、本当に仲間に助けられている。次は自分が自分のゴールでチームを勝たせられるようにしたいし、このチームで全国優勝したいと思っています」。高校で見た頂からの景色を、大学でも眺めてみせる。