〈年金月16万円〉一人暮らしの75歳父のもとへ50歳長女、2年ぶりの帰省も…扉を開けた先に佇む「変わり果てた姿」に驚愕【FPが解説】
買い物帰りに判明したさらなる衝撃事実
予想外の父親の姿を目にし、不安になったAさんはさらに尋ねます。 「お父さん、最近困ったことはない?」 大丈夫だよ、との答えが返ってきたものの、かえって不安は募るばかりです。 (もしかしたら介護施設とか、そろそろ考えたほうがいいのかな) 着替えしよう、と声をかけながら脇を見ると無造作に預金通帳が置かれていることに気が付きました。長く使っているメインバンクの通帳です。なんとなくパラパラとめくってみます。すると、記録されているのは2年前の日付が最後。しばらく記帳されていないようでした。 「お父さん、記帳たまってるね。記帳してこようか?」 その後、買い出しのついでに近くのATMで記帳したAさんは、衝撃の事実を目にします。2,000万円程度あった預金残高が大きく減っていたのです。差額はこの2年間でおよそ1,000万円、残高は900万円を切っていました。 大きな金額の変化に、見間違いかとも思いましたがそうではないようです。明細を追いかけようとも思いましたが、しばらく記帳していなかったためかおまとめ記帳、と書かれており明細がわかりません。残念ながら銀行の店舗は遠いうえに、窓口はもう閉まっています。そこで、父親に直接尋ねてみることにしました。 Aさんの父親の毎月の年金額は手取りで月約16万円です。75歳の年金受給者の平均年金額は以下のとおり月14万5,000円程度ですから、特別多いほうではありません。 しかし、退職時には退職金を含め3,500万円程度の資産があったそうです。というのも、実は父親がもともと勤務していた会社は、在職中に上場しており、長年勤務するなかで初期から持株会で積み立てた株式の売却益がかなり大きくあったのです。 まとまった資産があったおかげで、退職後も住宅の修繕費用や自動車の買替え費用や母親の入院費用などのまとまった支出もこなしながら、生活費を取り崩してもお金に困ることはありませんでした。特に母親が急逝して以降は父一人で年金収入にあわせてつつましく暮らしていましたから、大きな生活費の取り崩しはありません。 実は、このところ立て続けに、3人の娘たちへ教育資金や住宅資金を支援していたそうなのです。