初代空冷Zの持病!? タコメーターギヤのオイル漏れ修理 ~日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承~Vol.11
完成度が高かった初代空冷4発にも持病があった
タコメーターのドライブギヤ部分から、エンジンオイルが滲んでいたり、漏れていたりするケースを時折見かけることがあるカワサキ750RS/Z2シリーズ。このバイクを紹介して下さった、カワサキ直系営業所に所属していた元メカニックからお聞きしたお話しだと、Z2シリーズが現役だった当時は、一般の販売店で手に負えない重整備に関して、直系営業所への修理依頼が各ディーラーから回ってきたそう。 【画像】カワサキ「初代空冷Z」の泣き所!? タコメーターギヤのオイル漏れ修理を画像で見る(14枚)
それまでの大型モデル、2ストトリプルエンジンを搭載したH1/H2のマッハシリーズなどと比べれば、極めて完成度が高い状態で発売されたモデルが、初代空冷4気筒エンジンのZ2シリーズだったそうです。
だから、大きなトラブルで入庫することは少なかったそうですが、小さなトラブルに対する対策は、営業所の現場レベルでもディーラーへ向けて情報共有していたそうです。 お話しは反れますが、500ccや750ccの2ストトリプルは、回し過ぎて焼き付かせた状態で入庫する車両が圧倒的に多く、仮に、しっかり暖機運転して、分離給油のエンジンオイル量をしっかり管理していれば、トラブルに遭わなくて済んだケースも多々あったそうです。 ぼく自身、500トリプルは4台、フラッグシップの750は1台だけ所有歴がありますが、暖機運転は重要だと思いました。慎重になり過ぎたあまり、暖め過ぎても決して良くはありませんが……。 カワサキ直系営業所の元メカニック経由で見つけたZ2だったので、さすがに素性は良く、気になるトラブルも無く好調に走ってくれました。
しかし、Z2シリーズが販売されていた70年代当時から多かったオイル漏れに関しては「今はまだ漏れていないけど、ある程度、走行距離が進むと必ず漏れるようになるからね……」と聞いていました。交流発電機の出力ハーネスのゴムグロメット部分と、シリンダーヘッドの右前方にあるタコメーターケーブルの取り出しユニット部分のオイル漏れがそれでした。 名義変更を済ませて乗り始めた当時は、オイル滲みや漏れはありませんでしたが、数百キロ走った頃には、オイル滲みが出てくるようになりました。車両点検時でガレージへ持ち込むと、タコメーターギヤのオイル滲みも、ついでに修理することになりました。