【六本木】森美術館は開館20周年!エコロジーをテーマにした展覧会が開催中
注目の展覧会を厳選してお届けする本企画。今回は『森美術館開館20周年記念展 私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために』を紹介 【画像】今月見るべきアート展3選
『森美術館開館20周年記念展 私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために』
「エコロジー」は、現代社会の緊急課題であり、近年、多くの現代美術の国際展でも主題にされているアートシーンのビッグテーマでもある。本展は、このエコロジーという概念を、エネルギー問題やグローバルサウスの諸問題など、惑星規模の人間の循環的な営みまで広げながら、世界16カ国34名の作家の作品を通してその多様な考え方や視点を提示する。
Emilija Škarnulytė Arrow of Time
環境危機に対してストレートに反応したもの、素材選びや制作プロセスに問題意識やビジョンを反映させたものなど展示作品はさまざま。たとえば、ニナ・カネルは、ホタテの貝殻5トンを床に敷き詰めた大規模なインスタレーションを発表。ホタテの貝殻は粉砕され建材になる生物鉱物のひとつだが、鑑賞者はその上を歩くことができ、パリパリと割れる感触と音を体感しながら、それが建材となっていくそのプロセスに参加することになる。
Nina Canell Muscle Memory (7 Tons) 2022 Hardscaping material from marine mollusc shells Dimensions variable Installation view: Tectonic Tender, Berlinische Galerie Museum of Modern Art, Berlin
なお本展では、美術館の運営や展覧会づくりにおいてもサステナブルな取り組みが試されている。作品空間を仕切る壁の一部は、過去の展覧会で使われたものを再利用。海外作家を招集し、現地でリサーチおよび制作を行わせることで、作品輸送によって排出されるCO2量にも配慮した。 『森美術館開館20周年記念展 私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために』 @森美術館 2024年3月31日(日)まで BY MASANOBU MATSUMOTO, EDITED BY T JAPAN