早実・清宮がセンバツ初戦で見せた成長と解消できていない弱点
清宮は、昨秋の関東大会で日大三高の左腕、桜井周斗のスライダーにまったくタイミングが合わずに5打席連続三振を喫していた。対左投手への対応力の変化を見るためには、北方との対戦は、絶好のテストケースだったが、結果として片岡さんは「課題として残った」と見た。 「左投手には、いわゆる“間”が取れないんだろうね。外角を攻められるのがわかっていて逆方向を意識しているにしても、差し込まれている。バットが下から出るのも、差し込まれタイミングが合っていないからだ。フォロースルーが小さいのも気になった。最後のレフトフライは、風もよかったんだから、早めに準備をして、しっかりとフォロースルーを取るスイングができていれば、アッパースイングにもならずにオーバーフェンスができていたはず。また5打席中3打席は初球を打った。積極性は買えるが、北方はコントロールはいいがストレートが130キロ程度のピッチャーなのだ。追い込まれても大丈夫だ、というくらいの、余裕をもって自分のタイミングが取れるボールを待っても良かったと思う。左投手への苦手意識も働いたのかもしれないが」 27日の早実2回戦の相手は東海大福岡。エースの安田大将は、アンダースロー投手のようなテイクバックから投げてくる変則投手で、テンポとストライクゾーンを縦に大きく使う変化球が多彩。この日の神戸国際大付戦では、4安打1失点で完投勝利した。タイミングを外してくるタイプの技巧派に清宮がどう対応するか。ネット裏のスカウトは、そこに興味を抱くはずである。