早稲田vs慶応、女子学生割合が高いのは? 主要30大学ランキング
東京大学のキャンパス内に「なぜ東京大学には女性が少ないのか?」と問いかけるポスターが2024年5月から掲示されている。東大の学部生に占める女子学生の割合は近年、ようやく20%台に乗ったところだ。一方で、女子学生が過半数を占める大学も存在する。これは何に起因するのか? 主要30大学を対象に女子学生比率のランキングを算出して考察してみた。 【関連画像】女子学生比率は僅差で早稲田が上回った。注:慶応の2023年度女子学生率は36.44% 缶チューハイ「氷結無糖」のWeb広告にキリンビールが経済学者の成田悠輔氏を起用したことに批判が寄せられ、取り下げる事態を招いたのは2024年3月のことだ。 21年12月に成田氏がインターネット番組「ABEMA Prime」で、「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」といった発言があったことへの反発だった。 その降板騒動直後に東京大学の学園祭「五月祭」の実行委員会が、OBでもある成田氏の講演を企画。学内には講演に反対する立て看板が配置され、5月18日の五月祭当日には反対派の学生が集結して「帰れコール」を浴びせるなど、“成田闘争”が繰り広げられる中で講演は行われたようである。 そんな東京大学で24年5月から、静かながらも熱いメッセージが書かれたポスターが掲示されている。 「なぜ東京大学には女性が少ないのか?」と問いかけるポスターには、「女子なのに東大?」「女子は研究に向いていない」「地元の大学でいいんじゃない?」「学歴つけても結婚できないよ」など、女子学生、女性研究者・教員らがこれまで投げかけられた言葉が寄せられている。 女子学生比率の低さや、東大のサークルなのに東大女子が入れないサークルがあることなどは以前から問題視されてきた。女性にとって逆風にさらされてきた言葉をポスターで可視化し、無意識の差別が今なお残っていることの啓発に、大学当局が取り組み始めた意義は大きい。 企業も業態によって女性社員の割合は大きく異なるが、それぞれの規模で女性管理職比率、女性役員比率が適切なのかが問われている。それらの数値がダイバーシティー指標としてファンドの組み入れに影響し、企業の好感度をも左右する時代だ。決して対岸の火事ではない。 東京大学の学部生に占める女子学生比率は、近年ようやく20%台に乗ったところである。では、他大学はどのくらいなのか? 女子大を除く主要30大学を対象に「女子率」を算出してみた。 1位の発表前に、先週末、東京六大学野球の早慶戦(早稲田大学対慶応義塾大学)があったばかりなので、女子率の早慶戦を見ておこう。 まず、早稲田大学。全13学部のうち、女子学生が過半数を占めるのは、国際教養学部(61.2%)、文化構想学部(58.9%)、文学部(52.3%)の3学部。女子率が低いのは、基幹理工学部(17.8%)、創造理工学部(26.2%)、先進理工学部(29.0%)の旧理工学部を再編した3学部である。 慶応はどうか? 女子率トップは、2001年に慶応義塾看護短期大学から改組した看護医療学部(94.5%)。次いで共立薬科大学と合併して08年に開設された薬学部(57.6%)、そして文学部(55.4%)。この3学部は女子学生が過半数を占める。なお、女子率が最も低いのは22.6%の理工学部だった。 女子率50%超の学部が早稲田は13学部中3つ、慶応は10学部中3つで慶応が優勢に見えるが、慶応の看護医療と薬学部は在籍者数が少ない。トータルでは接戦になりそうだ。 学部在籍者総数で見ると、早稲田の女子率は39.11%、慶応は36.40%で、早稲田が僅差ながら上回っていた。04年開設の国際教養学部や、第一・第二文学部を再編して07年に設置された文学部と文化構想学部など、00年代以降に新設・再編した学部が“ワセジョ”率のアップに寄与した格好だ。 早慶対決、および女子率の水準は予想通りだっただろうか? では、主要30大学における学部生の女子率ランキングを見てみよう。調査対象の30大学は以下の通り。 【国公立大学】東京大学、京都大学、東北大学、九州大学、北海道大学、大阪大学、名古屋大学、一橋大学、東京工業大学 【私立大学】早稲田大学、慶応義塾大学、上智大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、東京理科大学、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学、日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学、京都産業大学、近畿大学、甲南大学、龍谷大学