斎藤・兵庫県知事を巡る内部告発、近く調査結果公表…外部の通報窓口設置に向け知事「制度要綱の改正行う」
兵庫県議会12月定例会の代表質問が6日、県公館で行われた。再選後初の本格論戦に臨んだ斎藤知事は、前県西播磨県民局長の男性職員(7月に死亡)が県の公益通報制度を利用して行った内部告発について、近く調査結果が公表されるとの見通しを明らかにした。 【写真】斎藤氏をアイドル視するような投稿
男性職員は3月、斎藤知事を巡るパワハラ疑惑などを指摘した告発文書を一部の報道機関などに送付。4月には同内容を県の公益通報制度を利用して内部告発し、所管する県財務部が調査していた。
自民党県議団の村岡真夕子議員から、風通しの良い職場づくりについて問われた斎藤知事は、「公益通報については、近く調査結果や是正措置など対応方針を公表する予定と聞いている。組織を挙げて必要な是正措置を講じていきたい」と述べた。公益通報の窓口については、今月には弁護士事務所に外部の通報窓口を設置することも明らかにし、「弁護士などの外部機関が調査を実施できるように制度の要綱の改正などを行いたい」との考えを示した。
代表質問に立った4会派の議員からは、県政運営にあたるうえで、知事の姿勢を問う質問が相次いだ。斎藤知事は「県議会や県職員とのコミュニケーションや議論が十分ではなかったと指摘を受けた面もあり、この点を見つめ直し、2期目は丁寧な対話と謙虚な姿勢を胸に刻み、県政運営に臨んでいきたい」と決意を語った。
県庁舎の再整備についての質問もあり、斎藤知事はこれまで県職員の働き方の実証実験や、県庁舎のあり方を検討する会議を開いたことに触れ、「県民サービスと災害対応の中枢としての機能を有する庁舎が必要という共通認識はできつつある」と強調。一方で「1000億円を超える従前のものは困難で、さまざまな工夫により、大幅な削減が必要。防災機能や働き方改革を試行したコンパクトな庁舎を整備する」との方針を述べた。
出直し知事選では、SNSでの誹謗(ひぼう)中傷などが目立ち、斎藤知事はSNSでの誹謗中傷を防ぐための条例制定を検討する考えを明かしていた。条例制定について、ひょうご県民連合の小西宏典県議から尋ねられると、斎藤知事は「ネットでの誹謗中傷が社会問題になっている。人権侵害に対し、条例の検討を進めている」と改めて条例制定に意欲を見せた。