振り心地にクセが全くなく、スムーズにヘッドが走る

　1月7日の発表に先立ち、筆者は「ELYTE」シリーズのクラブを試打する機会に恵まれました。最初に試打をしたのは「ELYTE ドライバー」です。 　説明を聞いた時は、さまざまな最新テクノロジーが投入されて尖った性能、振り心地のクラブなのではないかと考えていました。実際に打ってみると、想像とは全く逆で、「ELYTE ドライバー」は驚くほどクセのない振り心地のクラブに仕上がっていました。トップからダウンにかけてヘッドの動きが非常に素直で扱いやすく、それでいてスムーズに加速してくれるのです。インパクトするとフェースに乗るようなソフトな打感が手に伝わってきて、高過ぎず低過ぎずの打球音も心地良く感じられました。飛びや寛容性といった性能が強調されたシリーズですが、フィーリング面でも歴代トップクラスの完成度だと言えそうです。 　続けて何球か打ちましたが、芯を外しても飛距離の落ち方が小さく抑えられて、キャリーが安定する印象でした。9度のヘッドでしたが、ボールが上がりやすいですし、スピン量も安定して2500rpm前後の適正な数値になっていました。クセのない振り心地で、ミスをしっかりカバーしてくれる寛容性があるのでどんどん強く振っていくことができます。万人受けする性能を持ったドライバーですので、レベルに関係なく、多くのゴルファーにフィットするはずでしょう。 　ドライバーはその他に、つかまり重視の「ELYTE X ドライバー」、軽量モデルの「ELYTE MAX FST ドライバー」、低スピンタイプの「ELYTE ◆◆◆（トリプルダイヤモンド） ドライバー」がラインアップされています。一通り試打をしましたが、モデルごとの特性をしっかり出しつつ、クセのない振り心地や心地良いフィーリングは共通して備わっていました。通常モデルだけでもかなり幅広いレベルのゴルファーをカバーできると思いますが、つかまりやスピン量に悩みを抱えているゴルファーは、いろいろなモデルを試してみると良いでしょう。 　なかでも個人的に注目したいのが軽量モデルの「MAX FAST」です。シリーズとして初めてアジア人のスイングデータのみをインプットして“Aiフェース”を設計し、シャフトスリープによる“カチャカチャ”を採用するなど従来モデルから最も大きな変化を遂げているからです。 　軽量モデルは非力なゴルファー向けのカテゴリーと捉えられがちですが、最新モデルの多くはヘッドもシャフトもしっかり作られています。ある程度パワーのあるゴルファーが打ってもインパクトで当たり負けしません。むしろ軽量化でヘッドスピードがアップし、飛距離を伸ばせることが少なくありません。加えて日本を中心としたアジア人向けということもあって、構えたときの顔にもこだわりが見えて非常にきれいです。性能にも見た目にもこだわるゴルファーは試打してみる価値ありだと思います。 　なお、価格はいずれのモデルも10万7800円～となっています。