【久慈暁子さん】帰国&新生活インタビュー「アメリカ生活で、変化を起こす行動力が開花」
久慈暁子さんに約2年ぶりにインタビュー! プロバスケットボールプレイヤーの渡邊雄太さんとの結婚を機に、2022年にニューヨークへ引っ越し。その後約2年間をアメリカ各地で過ごし、現地での生活を綴った@BAILAの連載は注目の的でした。このほど、渡邊選手の移籍にともない日本に帰国。7月13日には30歳を迎えた久慈さんに、新しい生活が始まる心境をじっくり話していただきました! 久慈暁子さん帰国インタビューフォトギャラリー
【久慈暁子さんインタビュー】2年ぶりに日本での生活がスタート!
――2年ぶりに日本での生活がスタートして、いかがですか? 「清々しい気持ちですね。アメリカは大好きになりましたし、スペシャルな日々を過ごすことができましたけど、日本に帰ってきたら、ごはんも美味しいし、安全ですし。嬉しい気持ちが大きいです」 ――アメリカでの生活は、いかがでしたか? 「大変なこともたくさんありましたけど、すごく楽しかった! 人目を気にせず夫と二人オープンカフェに行ったり買い物に出かけたりできたのも嬉しかったです。渡米する前には当たり前だと思っていたこと、たとえば信号の見かたや交通ルールも日本とは違っていたので、毎日が新しい発見で、“今日は一体なにと出会えるんだろう”っていう刺激の連続でした。 振り返ると、だいたい半年に1回くらい引っ越しがあって。1年後にどこで暮らしているのかわからない日々でしたが、全然知らない土地のことを知る機会があってありがたいし楽しみ! と考えていました。とはいえ、引っ越し自体はかなり大変なんですよ。夫のトレーニング器具を全部ひとりで梱包したことも。生きる力が身につきました(笑)」 ■「アメリカ生活で行動力が開花。ずいぶんたくましくなりました」 ――思い出深いハプニングはありましたか? 「日々、予想外の連続でした(笑)。たとえば水道が壊れて業者さんを呼んでも、時間どおりにはまず来ないんです。アリゾナで運転免許をとったときは、教習の先生が迎えに来てくれるはずなんですけど、待てど暮らせど来ない(笑)。連絡をしても返信なし。“本当に来るのかな……”と、不安な気持ちで30分くらい待っていると、何事もなかったかのように普通に現れるという感じ(笑)。“これがアメリカか!”と、段々と慣れていきましたね」 ――自身のキャラクターに変化はありましたか? たとえばオーバーリアクションになったとか。 「夫もよく言うんですけど、英語を喋ると性格が変わるっていうの、私もそうかもしれません。 向こうでは、エレベーターで一緒になった知らない人に『何の仕事をしているの?』『このあたりに住んでるの?』とか、プライベートなことを聞かれることが多くて。日本だとなかなかそんなことってないですよね。気づいたらそういう突然のコミュニケーションにも対応できる自分になっていて、性格がちょっと変わったというか、オープンマインドになったかも、と思いました。 帰国してからも、以前ならあたふたしてしまったであろうことも、全然気にならない自分に気づきました(笑)。いろいろなことに“大丈夫でしょ”という精神で構えられるようになりましたね。 インスタグラムなどでは楽しそうに見えていたと思うんですけど、実際には孤独を感じることもありました。友達もいない、言葉も通じない。そういう環境の中では“いかに自分を楽しませるか”がすごく大事なんだっていうことにだんだんと気づきました。もともと私は自分から動くタイプじゃなかったんです。進学先を選ぶときも『この高校に行ったら?』『この大学がいいんじゃない?』と勧められたことをきっかけに決めて、実際に入ってみたらよかった、楽しかったっていうタイプ。 でもアメリカでは、自分から行動しないと道が開かれないと実感して、孤独感を打破したくて始めることにしたのが英会話だったんです。レッスンを受講するために、まず面接を受けて、クラス分けのテストを受けて。もちろん申し込みからすべて英語。質問や相談できる人もいなくて、手続きを進めながら"アナウンサーの試験よりもキツい”と思ってしまうことも。突然の行動力に夫もすごく驚いていました。自分で道を開拓して前に進む力がないと、アメリカでは生きていけないんだということを学びましたし、それって暮らす場所がどこになっても、大切なことなんですよね」 ■「友達がなかなかできず、落ち込んだことも」 ――落ち込むようなこともありましたか? 「ありました。ニューヨーク、アリゾナ、メンフィスに住んだんですけど、ニューヨークでは友達ができず孤独だったので、アリゾナに移るタイミングでは、現地在住の日本人の方をあちこち探してみたんです。でも全然見つけることができなくて不安なまま引っ越しをして……。 夫はシーズンが始まると遠征も多いですし、"私の話し相手になって!”というわけにもいかない。日本にいる家族や友達とも時差の関係で連絡が取れない。だから一人でも外に出て、知らない人に話しかけられて、それに答える。それくらいしか人と話さないような日もありました。週3くらいで英会話に通うようになってからは、そこで出会ったおじいさんとおしゃべりしたりとか、そういうのがすごく楽しみでした。現地に住む日本人の友達もできたんです。パートナーの海外赴任に帯同している、年の近い女性の方と仲よくなれて、“アメリカで友達がいる”っていうことがもう嬉しすぎて(笑)。今でもビデオ通話をしたり、連絡を取り合ったり、仲よくしてもらっています。 フジテレビ時代の同僚がときどき遊び来てくれたことも楽しかったですね。せっかく来たんだから色々連れて行ってあげなきゃ! と使命感が湧いて、効率よくおすすめのスポットを回れるようにコースを考えたり、送り迎えをしたり、張り切ってやっていました(笑)」 ■「何かを新しく手に入れたら、何かを手放すもの」 ――そもそも渡米を伴う結婚。大きな変化を受け入れてしなやかに進む姿が印象的です。 「お話ししたとおり、もともとは冒険心の強いタイプではないけれど、大学で岩手から東京に出てきて、モデルのお仕事をして、モデルをやめてテレビ局に入社して、アナウンサーになって、会社を辞めてアメリカに行って……振り返ってみると、たしかにかなり変化が多いかもしれません。でもどのタイミングについても、自分では『大胆な決断をした』っていう意識はなくて……そういう流れになっていたというか。 モデルをやめるときも会社を辞めるときも、執着はなかったですね。人生の中ですべてを手に入れることはできないっていう思いが昔からあるからかな。『一つ手に入れたら一つ手放さなきゃいけないんだよ』っていうことを、母に小さい頃からずっと言われてきた影響も大きいと思います」 ――アメリカで一緒に暮らして、雄太さんとの関係性に変化はありましたか? 「向こうで結婚生活がスタートしたので、最初はもう、アメリカ生活に慣れている彼に頼りっぱなしだったんですよ。11年アメリカで暮らしているから、土地勘もあるし英語もペラペラ。私としてはすべてをサポートするために一緒にアメリカに行ったのに、逆にサポートされてしまって申し訳ないと思っていました。そのうち、生活面での外部とのやり取りを基本的にはすべて自分でできるようになって、頼ってもらえるようになってきたかも、という変化も感じました。この2年で絆が深まったように思います」 ■「夫の睡眠は絶対に邪魔をしない。と、心に誓っていました」 ――バスケットボール選手である雄太さんとの生活はどのようなものなのでしょうか? 「夫は午後に昼寝の時間をとるので、絶対にその睡眠の邪魔をしない。と心に誓っていました。あえてそのタイミングで買い物に行ったり、一人で美術館へ出かけたり。結婚生活で見つけたひとつの答えが“自分で自分の機嫌をとる”ということ。私がそうやって過ごしていることが、アスリートである彼を間接的にですが、支えることになると思ったんです。 向こうでは、ホームの試合はほぼ毎回観に行っていて、いつも心臓がバクバクしていました。やっぱり家族のことだから。私は"勝負の世界”に生きてこなかったので、最初は試合の結果に一喜一憂してしまって。負けてしまったときはなんと声をかけたらいいのか分からなかった。それもあって、帰ってきた夫にバスケとはまったく関係のない話をしていたんです。そうしたら、彼はそれがすごく新鮮だったらしくて。“私はこれでいいんだ”って思えるようになりました。 全然違う環境で育った二人なのだから、どんなに好きで結婚しても違うところがあって当然なんですよね。お互い譲り合ったり気をつかい合ったりしながら支え合うことが大切なんだと今は思っています」 ■「@BAILAの連載の写真は夫にも撮ってもらっていました」 ――@BAILAの連載では、アメリカ生活を綴る連載を2年間続けてくださいました。「今回出せません」なんてことは一度もなかったですね。 「会社員時代に、締め切りに間に合わないとか、メールの返信が遅い、とか、そういうことはあってはいけないことだと教わったので。挨拶もそうです。大学生のときモデルをやらせてもらっていた頃は徹底できていなかったと今となっては反省しています。 ちなみに、向こうで連載用の写真が必要なときにはいつも、夫に『撮って』とお願いして撮ってもらっていました(笑)。最初はさっと1枚撮って終わりだったんですけど、だんだんと何も言わずに何枚か撮ってくれるようになりました」 ――この場をお借りしてお礼を伝えたいです!(笑) 仕事と家庭の両立はBAILA世代の課題のひとつですが、久慈さんの場合はいかがですか? 「結婚したら、やっぱり自分軸だけでは生きていけないこともありますし、まずは相手がいてこその自分だなと思っています。今、幸せだなと思うことがすごく多いので、夫の活躍を見守りつつ、毎日の生活と仕事を楽しむことを大事にしていきたいですね。 夫からは『自分(渡邊選手)を支えようとしなくていいよ』って言われるんです。今回帰国が決まって、これからどんなふうに仕事をしていこう?と考えていたときも『やりたいならやればいいし、やりたくなければやらなくていいんじゃない』と。たぶん、私自身が楽しくしていることが、彼にとっても、いいこと。チャンスがあればモデルのお仕事もテレビのお仕事もやっていきたいです。とくに司会のお仕事はこれからも挑戦できたら嬉しいですね」 ■「想像のつかない人生をこれからも楽しんでいきたい」 ――最後に、30歳を迎えるにあたっての気持ちを教えてください。 「20代が終わるって、なんか若者から抜ける感がありますよね。周りの方からは『20代より30代のほうが圧倒的に楽しい』とよく聞いているので楽しみです。引き続き、プライベートと仕事、2本の柱を大切にしていきたいです。これまでもそうでしたけど、これからも、先の想像のつかない人生を楽しんでいきたいです。 アメリカで生活しながら、実は@BAILAのエッセイが自分のひとつの軸になっていたんです。連載で書きたいなと思って、気になるスポットを調べて足を運ぶこともありました。そういうお出かけのひとつひとつが毎日を彩ってくれて、楽しかったです。そのうえ、向こうで知り合った方に『BAILAの連載見てます』と、声をかけていただけることも多くて。すごく嬉しかった。うまくいかないことがあってもまた頑張ろうと思える一つの原動力でした。読んでくださったみなさん、ありがとうございました。これからもよろしくお願いします!」 久慈暁子 くじあきこ●1994年7月13日生まれ。岩手県出身。ノンノモデル、フジテレビアナウンサーとして活躍後、フリーアナウンサーに。2022年にプロバスケットボールプレイヤー 渡邊雄太さん(千葉ジェッツ)と結婚。趣味は映画・DVD鑑賞。特技は水泳。 【衣装】キャミソール¥22000/マリリンムーンオンラインストア(マリリンムーン) ワンピース¥16500・パンツ¥9900/ラベルエチュード イヤーカフ¥17600・リング(左)¥27500/アグ リング(右・薬指)¥36300/バウゴヘイアン リング(右・人差し指)¥24200/エトワライト 靴¥71500/ボウルズ(ビューティフル シューズ × ハイク) マリリンムーンオンラインストア https://marilynmoon.up/ ラベルエチュード labelleetude_info@auntierosa.com バウゴヘイアン https://www.instagram.com/baugoheian/ アグ https://agu-acce.com エトワライト https://www.etoilight.com/ ボウルズ 03-3719-1239 撮影/nae jay ヘア&メイク/中山友恵 スタイリスト/辻村真理 取材・文/通山奈津子