渡辺俊介ばりのリリース位置が低いアンダースロー、木製バットで本塁打量産の左打者など元巨人投手の母校に個性的な選手揃う
<第106回全国高校野球選手権群馬大会:常磐4-2前橋南>◇13日◇2回戦◇高崎城南球場 【トーナメント表】夏の群馬大会 これまでの結果 元巨人・山上 信吾投手の母校でもある常磐。個性的な選手が光った。 まず飯野 煌内野手(3年)は173センチ70キロとがっしりとした体型が持ち味の強打の遊撃手。バットを見ると、木製バットを使っていた。理由を聞くと、普段の練習から木製バットを使用。試合では新基準バットを使っていたが、春の大会後に指導者から「木製のほうが飛ぶぞ」といわれて、試合でも木製バットの使用を決断。木製バットのメリットについて「振りやすいというのが大きいですね。また重さの規定もないので、使用しています」 飯野が使うのは890グラムの木製バット。木製バットを使う他の選手は800グラム台前半を使用する事が多いので、飯野はやや重め。それでも振りやすいようだ。 高校通算11本塁打のうち、5本は木製バットで打ったものだ。構えがしっかりとしていてインサイドアウトのスイングができる。この日は3打数1安打だったが、かなりレベルが高い打者だった。ウエイト好きの飯野はデッドリフトが得意で、170キロを持ち上げる。チームの中で身体能力はNo.1という評価だ。そんな飯野だが、硬式野球は高校限り。両親のすすめもあり、医療系の専門学校に進学するという。そこでは軟式野球をやるつもりだ。 先発・中里 颯太投手も個性的な選手だった。アンダースローだが、リリース位置が低い。まるでロッテで活躍した渡辺俊介投手のように低い。中学時代は内野手と投手を兼任。内野手はスナップスローでアンダー気味に投げることがある。その癖ですんなりとアンダースローで投げられたという。上達のために渡辺投手、巨人・高橋礼投手(専大松戸)を参考にしている。 「アンダースローは低めに伸びる球が強みになると思いますので、それを磨いてきました」 105キロ前後ながら、ストレートで空振りを奪うシーンもあり、6回を投げて2失点と試合を作った。次の相手は前橋商に決まった。 「打者をつまらせる投球を見せていきたいと思います」と意気込んだ中里。個性的な選手が揃った常磐。一泡吹かせる戦いを見せることができるか注目だ。