【インタビュー】ロッテ・安田尚憲 「もう2位は飽きました。チーム内の競争に勝ち、今年こそ優勝へ――」
──上田選手の名前が出ましたが、世代が近くて、一塁、三塁を守れる左打者ということで安田選手と共通点が多いように見えます。そのような選手がドラフト1位のルーキーとして入団してきて、どのような思いですか。 安田 はい。タイプ的に似ていると、僕も感じています。チームから求められる仕事も、近いものがあるでしょうね。そこはやっぱり、彼はルーキーですが負けないようにしないと。希由翔(上田)だけではなくてほかの選手もレベルは高いので、自分もしっかりと首脳陣にアピールをしていかないと、と思っています。
プロ野球選手である以上、競争は常にある
──一塁手にはソト選手が加入しました。どういう印象ですか。 安田 DeNAであれだけの実績のある打者ですからね。僕がプロに入ったときから日本でプレーしていますよね? ──そうですね。2018年からNPBでプレーしているので、安田選手とは「同期」ですね。 安田 同じタイミングなんですよね。それだけの実績のある選手ですし、本塁打王のタイトルも獲っています。実績で負けるのは仕方がない。仕方がないと言ってはあれですけどそこで争うのではなく、今はしっかりと自分のできることをやって、勝っていけるようにしないと。三塁と一塁、どちらで争うことになるのか、現時点で僕もよく分かっていないですが、どちらにしても競争に勝たないといけないことに変わりはないので、「安田じゃないと」という自分だけの良い点をしっかりと見せていきたいと思っています。 ──チームとしては選手同士の競争による全体のレベルアップ、底上げを狙っているのでしょうね。 安田 そうだと思います。その意図を汲んで自分の実力を上げてずっと試合に出たいですし、レギュラーとしてチームに貢献したい。そのためにはチーム内の競争に勝つ必要がありますが、それはプロ野球選手である以上はどのチームでも同じだと思いますので、競争に勝つ。何度も言っていますが、今はこれしか考えていませんね。 ──今シーズンの具体的な数字的な目標はありますか。 安田 まずは1年間試合に出続けて、規定打席に到達すること。そこは最低限の目標として、プラスアルファで言うなら「打率2割8分以上」「20本塁打以上」というラインを設定し、そこを目指して頑張りたいです。 ──昨年を振り返ると、どういうシーズンでしたか。 安田 夏場以降、一気に調子を落としてしまいました。結果を残せなかったことがもったいなかったし、自分でも不甲斐なさを感じました。やはり7月くらいまでの成績を、シーズンの最後まで残し続けられればそれなりのシーズン成績を残せたと思うので、そこを自分からは崩さないようにしたいです。好不調というものはどうしてもあると思いますが、不調になったときにズルズルと行かず、速やかに自力で取り戻すことが自分の課題ですので、そこは昨年の反省点ですね。逆に良かった点は、決定機でチームの勝利を決める一打を何度か放ったこと。チャンスに強い打撃は、監督の吉井(吉井理人)さんからもよく「頼むぞ」と言われますので。と言っても、打点の数はまだまだ物足りないです(昨年は43打点)。そこも課題の一つとして、数字を増やしていきたいですね。 ──確かに昨年はチームの野手として唯一オールスターに出場したくらいで、4、5、7月の月間打率が2割7分を超え、数字は悪くなかったです。それが8月から閉幕までは130打数25安打、打率.192。何が起こったのでしょうか。夏場の疲れですか。 安田 いいえ、疲れというよりも、自分で打撃の調子を崩してしまいました。考え過ぎると良くないですね。相手チームのバッテリーも当然、対策をしてくるのですが、そういうところでうまく対応できなかったな、というのが反省点です。 ──今年は不調になってもすぐに対応したいと。 安田 そうですね。昨年までは配球など、自分1人で悩んで考えていたのですが、チームにはアナリストさんもいらっしゃるので、今年からはちゃんと話し合いながらやっていきたいですね。僕はもう少し頭を使いながら打席に入りたい。吉井さんからも去年からそういう話をされていました。今年は自分自身と向き合い、相手バッテリーとも向き合いながら、打撃をしていきたいと思っています。