コンビニの父が皮肉にも「セルフレジに四苦八苦」…セブン生みの親、鈴木敏文氏のルーティンから見えた「古巣への変わらぬ愛情」
このところ、セブンイレブンの客離れが深刻となっている。背景にあるのは、業績の不振だ。 【マンガ】「長者番付1位」になった「会社員」の「スゴすぎる投資術」の全容 2024年8月中間連結決算では、コンビニ大手3社のうちローソンとファミリーマートが前年同期比で増益を達成したのに対し、最大手のセブンイレブンだけが減益だった。 前編記事『弁当の「上げ底」問題が物議…セブンの生みの親・鈴木敏文氏「僕はまったく関係ない」!商売の神様が「漏らした本音」』では、カリスマ経営者として名をはせた鈴木敏文氏を直撃。商品への不満、外資による買収提案など、苦境に立つセブンイレブンについて話を聞いた。
週末のルーティン
「(経営には)関与していない」と繰り返した鈴木氏だが、自身が育て上げたセブンイレブンへの思い入れは今も強い。 鈴木氏の自宅の近くにあるセブンイレブン。近隣住民から「店内がいつも明るく清潔。店員さんも親切」と評判の店舗には鈴木氏が定期的に訪れ、店内に目を光らせる。会長時代から続けている週末のルーティンだ。店舗のスタッフが明かす。 「以前よりも頻度は減りましたが、週末の昼前、あるいは夕刻になると、ご自宅から徒歩で来店され、店内をくまなくチェックされております。時には『おでんと肉まんは夏季でも置いた方がいい』などとアドバイスをくださることもあります」 近年、セブンイレブンは、店内で揚げたドーナツなど新商品を続々と投入して新規顧客の獲得を図っている。物価高に伴う消費者の節約志向を受け、9月からは低価格路線も始めた。鈴木氏の反応は……。
セルフレジへの戸惑い
「長年親しまれてきた定番商品に愛着があるようです。新商品を購入されることはほとんどありません。購入の際、セルフレジに戸惑っておられることもあります」(前出・スタッフ) 消費者の間でも、セルフレジの利便性に対する賛否は分かれる。多くの店舗で店員が商品のバーコードを読み取り、利用者が会計操作を行う「セミセルフレジ」が採用されているが、操作に戸惑う高齢者は少なくない。 そうしたなかで、御年91歳の鈴木氏もまた、新たに導入されたセルフレジの操作に四苦八苦しているようだ。 おにぎりの販売からセブン銀行の設立まで様々な試みを成功させ、「小売の神様」とも評されてきた鈴木氏は「お客様のために考えるのではなく、お客様の立場で考えろ」と言い続けたという。はたして自身は、不満が噴出するセルフレジをどう見ているのか――。 1号店オープンから50年。岐路に立つセブンイレブンに対する「生みの親」の胸中はいかに。 【こちらも読む】『セブンイレブンだけじゃない…!外資企業が虎視眈々と狙う「世界的人気キャラクター」と「ディスカウントショップ」の名前』
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