まだまだ続く共に民主党の国会暴走、「尹大統領弾劾案」の内容も理解不能【12月6日付社説】 韓国憲政史上初の監査院長弾劾
韓国野党・共に民主党は5日の国会本会議で崔載海(チェ・ジェヘ)監査院長に対する弾劾訴追案を一方的に採決し可決・成立させた。監査院長の弾劾訴追は憲政史上今回が初めてだ。李昌洙(イ・チャンス)ソウル中央地検長ら3人の検事に対する弾劾訴追案も同時に可決させた。崔載海監査院長の職務は通常数カ月を要する憲法裁判所の決定が出るまで停止となる。それまでは文在寅(ムン・ジェイン)前政権が任命した監査委員らが監査院長の権限を代行し、文在寅前政権の不正に対する監査は中断となる。検察業務で重要な役割を果たすソウル中央地検のトップ3人の職務も中止となったため「共に民主党現金封筒疑惑」など主要な事件の捜査も進まなくなるだろう。現政権から権限を奪い、事実上の「共に民主党政府」にひっくり返そうとしているのだ。
監査院長とソウル中央地検長の弾劾は戒厳令事態の原因にもなった。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は彼らに対する弾劾の採決が行われる直前に戒厳令を宣布し「自由憲政秩序の守護」を掲げたが、これは弾劾の乱発により現政権を無力化させたい共に民主党の立法暴走を問題視したためだ。戒厳令解除後、共に民主党は監査院長らに対する弾劾を保留したが、与党・国民の力が「大統領弾劾反対」を党の方針としたため、共に民主党は突然方針を変えて弾劾暴走を再開した。 共に民主党などが提出した大統領弾劾訴追案の内容も理解しがたいものだ。戒厳令事態とは全く関係のない現政権の外交・安全保障政策への非難もこれに含まれている。例えば弾劾案には「尹大統領は北朝鮮、中国、ロシアを敵対視し、日本中心の奇異な外交政策にこだわっている」との内容がある。これがなぜ弾劾理由になるのか。「戦争の危機を触発している」ともあるが「戦争の危機」という言葉自体が誇張であり、あったとしてもそれは北朝鮮による挑発がその原因だ。 弾劾訴追は憲法と法律に明らかに違反した行為があったときに行うものだ。ところが共に民主党は不法でもない外交・安全保障問題まで弾劾理由に含めた。監査院長や地検長に対する弾劾訴追も立法暴走だ。尹大統領は自らに戒厳令宣布の権限があるとしてこれを行使し、逆に深刻な窮地に追い込まれたが、国会を掌握した共に民主党が自分勝手に行使する立法権力もいつか逆風に直面するだろう。