刺し網漁船出港 輪島、試験操業 漁場を調査「変化知りたい」
輪島港を拠点とする海士(あま)町刺網(まちさしあみ)実行組合は17日、能登半島地震で中断を余儀なくされている刺し網漁の試験操業を始めた。漁船約50隻が夜明けごろに出港して沖合の漁場へ向かった。操業は元日の地震後初めてで、漁場を変えながら10回行い、漁獲量や海底の変化を調べる。 輪島港は地震に伴い海底や岸壁が隆起し、漁ができない状態となった。海底の土砂をさらう浚渫(しゅんせつ)が進み、捕った魚を荷揚げするための仮桟橋が整備されたことから試験操業として漁場調査を行う。 初日は漁師約100人が午前5時に輪島港に集まり、漁船の状態を確認して順に船を出した。漁師は久しぶりに洋上で受ける風を確かめるように漁船のデッキに立って沖を目指した。 この日の漁場は輪島沖25キロにある七ツ島周辺など2カ所で、刺し網漁を行って午後1時ごろに帰港する予定となっている。試験操業は15日に始める予定だったが、悪天候のため順延していた。 刺網実行組合の吉浦真志会長は「地震で海の状態がどのように変化したか知りたい。一日も早い漁の再開につなげたい」と話した。