中国でも大ヒット!? 世界市場が拡大する「縦型ショートドラマ」の可能性は? 専門家が解説
モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」(毎週月曜~金曜6:00~9:00)。5月1日(水)放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「世界市場が拡大する『縦型ショートドラマ』その可能性は?」。情報社会学が専門の城西大学 助教・塚越健司さんに解説していただきました。
◆市場を拡大する縦型ショートドラマ
「縦型ショートドラマ」という、スマホの形に合わせた“縦型で見る短いドラマ”が増えています。市場調査会社YH Researchは、縦型ショートドラマの世界市場は、2029年に556億ドル(=およそ8兆7,000億円)となり、約55億ドルだった去年の10倍を超える規模に成長すると予想しています。 吉田:「縦型ショートドラマ」とは、どのようなものでしょうか? 塚越:簡単に言うと、TikTokのようにスマホの縦画面で視聴するのを前提とした、数分程度の実写ドラマです。短い動画なので、電車の移動中やちょっとした休み時間などに、いわゆるZ世代にとっては短く手軽に楽しめる動画ということで主流になってきています。 縦型の動画はTikTokだけでなく、インスタグラムの「Reels」や「YouTube ショート」などがありますので、見る機会も多いかと思います。さらに最近は、縦にスクロールして読む漫画「ウェブトゥーン」も流行っていて、スマホの縦型で楽しむジャンルが確立されてきています。 日本でもショート動画を作る企業は増えてきているのですが、基本は広告企業が中心で、数十回にわたる連続ドラマなどはまだ普及していません。ドラマの場合は、次を観てもらうための“つかみ”や“引き”を短い動画に詰め込まなければならないので、いろいろと工夫が必要になります。 一方で、縦型の動画は、画角も小さいうえに、出演者や背景の小道具なども少なく済み、制作費が抑えられるので、スタートアップも参入しやすい状況です。実際、日経新聞によりますと、日本のスタートアップが中国企業と手を組んで、60話近くの動画を4月中にも専用アプリで公開するということです。このスタートアップの動画は1話60秒~90秒と短いですが、すべてを合わせるとだいたい90分程度のものになるということです。