楽園の海「夜の海 北谷の潜り漁」
楽園の案内は水中カメラマンの長田勇さんです今回のテーマは「夜の海 北谷の潜り漁」です。 長田勇さん「今回は、北谷町の若手漁師さんに同行させて頂きました。」 いつもとは一味違う夜の海、ご覧いただきましょう。 夕方6時 長田勇さん「浜川漁港からボートに乗ります。」 煌びやかな北谷の夜景を背に出発ですね。 長田勇さん「皆さんがお酒を飲み始めた頃、漁師さんはお仕事開始です。」 北谷のアメリカンビレッジ沖、約1km。 長田勇さん「今回お世話になるのは末松春樹さん36歳、タンクを背負い水中銃で眠っている魚を突きます。この漁法は漁業権を持っている方のみ許可されています。いざ漁の始まりです!!」 漁をする水深は5m~15m。 長田勇さん「岩陰で寝ている魚を探します。1ダイブ目は、高値のつくイラブチャー、ブダイを探します。」 潜り始めて3分、岩の隙間に狙いを定め銃を撃ちます。獲物が出てくるまでワクワクドキドキです。そして見事にゲット。これはスジブダイのオス。ブダイの仲間の中でも、高値のつく部類だそうです。 このように漁をされているのですね 長田勇さん「はい、この漁の仕方、決して残酷な行為だと思わないで欲しいんです。ブダイは釣り上げるのが難しいため、この方法で獲るのがベスト。漁師さんのおかげで、私たちは食卓で様々な種類の魚を食べる事が出来るのです。私には2人の子供がいますがしっかり伝えていきたいですしたくさんの子どもたちにも伝えていきたいと思っています。」 とても大切なことですね。 長田勇さん「潜水開始から10分で3匹の獲物。ブダイが寝ている場所をちゃんと把握している漁師さんの勝利ですね。こちらもスジブダイ。ここは末松さんが見つけたブダイが多く採れるポイントです。テンポよく、どんどん突いていきます。」 すごいですね。 長田勇さん「ブダイたち、夜8時頃になると完全熟睡。間近で水中ライトを当てても起きません。」 寝てますね。 長田勇さん「一方こちらは膜を張って寝るオウムブダイ。同じブダイでも種類が違うとセリの値段が違うそうで末松さんは効率的に漁をするために種類を見極めます。」 暗い夜の海で瞬時に判断するんですね。 長田勇さん「ソフトコーラルの合間にある岩のくぼみで寝ていたのは、イロブダイ。若干安めの値段がつくブダイです。およそ1時間の漁を終えて成果はまずまず。1時間泳いで、1匹2匹しか捕れない時もあるそうです。」 厳しい世界ですね。 長田勇さん「ここからはポイントを変えてダイブ2本目、末松さんはバリエーション豊かな獲れ高(撮れ高)を考えてくれて先ほどとは違う魚を探しに水深10m付近まで降ります。」 長田勇さん「そして、何か突きました!出てくるまではドキドキします。先ほどとは違う魚。沖縄の方言でチヌマンです。和名はテングハギ。」 ツノが名前の語源ですね。 長田勇さん「岩陰の小さな魚たち。赤みがかった魚はグルクンです。この日は突きませんでしたが、5匹くらいまとめて獲ればセリに出せるので獲る時もあるようです。」 長田勇さん「そろそろ高級な食材を期待!と思った矢先。アカジンと呼ばれる、スジアラです。(800g)沖縄では高級魚の部類。20cm以下は獲らないルールがあるそうなんですが、ギリギリの22cm。」 何かいますよ! 長田勇さん「カノコイセエビです!銃の先端を利用してくぼみから外へ。出来るだけ傷をつけないよう、素手で獲ろうとしますが逃げられた!ですが近くの穴に逃げ込んだため、なんとか銃で仕留めることが出来ました。最後の獲物がイセエビでした!。」 立派なエビです!堂々たる姿! 長田勇さん「きょうの獲物です。まるで台本でも書いたような順番で、獲物を獲ってくれた末松さん。ちなみに気になる値段がこちらです! このような値段がつくのですね!勉強になります。あれ?イセエビ0円!? 長田勇さん「エビ、実は末松さんのご好意で長田家の食卓へ。」 そうだったんですね! 長田勇さん「この日の成果、1日の収入として最低限は確保できたそうですが、セリでの値段はかなり安値だったようです。街の雑踏を横目に帰路につきます。」 エビ、おいしそうでしたね! 長田勇さん「末松さんのおかげです。漁師という仕事は技術や体力だけでなく、魚に関する知識も必要となるので大変な仕事です。尊敬します。」 ありがとうございました。楽園の海でした。