【快眠コンシェルジュ・ヨシダヨウコさんに相談!】朝起きたとき、背中や腰が痛いのはなぜ?
眠りは一日の疲れをとるもの。それなのに、なぜか起床時に体のあちこちが痛い…となることはないだろうか?「自分はどこか悪いのでは」と不安になってしまうが、快眠コンシェルジュのヨシダヨウコさんによると、「考えられる原因はいくつかあります」とのこと。具体的な解決策について伺った。
朝起きたとき、背中や腰が痛いのはなぜ?
<お悩み> 特に何かをしたわけでもないのに、朝起きた時、腰や背中の痛みを感じることが多く、不安になっています。しっかり寝ているはずなのに、疲れがとれなかったり、起きた時になぜか体が痛かったり…。それはなぜでしょうか?(59歳・専業主婦) <回答> 睡眠中、寝返りができていない可能性が大!
年齢を重ねると、自力で寝返りをする筋力が低下します。
「睡眠中は自分ではコントロールができない時間。それだけに相談者さんのように、『起床後、なぜ背中や腰が痛くなるんだろう』と不安になってしまうのはよくわかります。でも、考えられる原因はあります。どうぞ安心してくださいね」 まずひとつは、寝返りをしていない可能性が高いとヨシダさん。人はひと晩に平均、約20~30回ぐらい寝返りをしていると言われている。では、何のために寝返りをするのか? 「それは、スムーズな血流のため。寝返りをせずにずっと同じポジションで眠っていると、体の同じ部分だけに体重の圧がかかって血流が滞りやすくなり、血液が鬱血してしまうのです。寝たきりのお年寄りに床ずれができてしまうのも、同じ理由なのです。 そして人間の体の中でも、腰まわりはとくに重たい部分。睡眠中に寝返りをしないと、腰まわりにだけ体重がかかって血流も悪くなります。そういった理由から、起床時に背中や腰が痛くなっているのかもしれません。 若い頃は筋力があり、睡眠中も自分の力で勝手にゴロゴロ寝返りをすることができているのですが…。50代以降の方は、その筋力自体が低下していることは、十分に考えられると言えるでしょう」
寝具の状態も、一度見直しましょう
「先日行ったセミナーでは、まさに寝返りができていないことが原因で、体が痛くなっている方がおられました。その方は筋力の低下に加えて、低反発のやわらかいマットレスを使っていたことで体が沈み込んでしまい、余計に寝返りができていなかったのです。相談者さんの寝具環境はいかがでしょうか? 私はいつも『マットレスの種類は、年齢によって見直したほうがいい』とアドバイスをしています。好みはあるかもしれませんが、筋力不足となる50代後半以上の方にはとくに、硬めのマットレスをおすすめしています。最近は寝返りがしやすいよう、ベッド下のコイルがサイドの部分だけ硬くなっているマットレスも開発されるなど、いろいろな商品が出ているようです。 また、長年同じマットレスやベッドパッドを使っていて、体の圧がかかる部分だけ沈んで、轍のようになっている場合も!私は同じ場所ばかりを使わないように、春夏秋冬年4回、マットレスの向きは変えるようにしています。それだけでもマットレスの耐久性は長持ちしますし、寝返りの改善にも役立ちます」