ハリポタ図書館で読書にふけったアダム・スミス、生誕300年の今も英国で受け継がれる精神
▽墓碑に刻まれた功績 スミスは死に至る際に書きためた草稿類を焼却させた。親友であるヒュームの死後、未完成の作品を遺言に従い出版したところ大きな論争や批判を呼んだことが理由のようだ。ハウィットさんは「スミスは徹底的した完璧主義者だった。自分が完全に正しいと思っていないものが世に出回ることを望まなかった」と推察する。 ハウスの近くにはキャノンゲート教会がある。最愛の母が信心深いキリスト教徒で、すぐお祈りに行けるように配慮して住居を決めたためだ。教会を正面に見て左の小道に進むとスミスの墓があり、墓碑には功績が端的に刻まれている。「道徳感情論と諸国民の富の著者アダム・スミスここに眠る」。今も巡礼者が後を絶たない。