24年“J助っ人”ベストイレブンは?|ガンバ躍進に貢献したダワンは外せない。ヤン・マテウスは稼働率の高さが光った【識者選出】
MVPはアンデルソン・ロペス一択
サイドアタッカーでは、右は横浜のヤン・マテウス、左はG大阪のウェルトンを選んだ。横浜は今季9位で、シーズン途中にハリー・キューウェル監督が更迭されるなど苦しい1年を過ごしたが、ヤン・マテウス自身は35試合に出場し5得点・8アシストと結果を残し、さらにアジア・チャンピオンズリーグエリートでも浦項戦などでゴールを決めるなど、稼働率の高さが光った。 ウェルトンも32試合出場で4ゴール・6アシストとまずまずの成績を残している。しかも彼の左サイドの突破力と推進力はJリーグ基準をはるかに超えており、対峙した全ての相手が手を焼いていた。それだけの迫力をピッチ上で体現できる選手はそうそういない。来季はよりゴール数を伸ばし、点の取れるアタッカーへと変貌してほしいものである。 最後にFWだが、24ゴールで得点王に輝いた横浜のアンデルソン・ロペス、21点で2位のC大阪のレオ・セアラ、14点で6位にランクインした鳥栖のマルセロ・ヒアンの3人をピックアップした。 それぞれが在籍したチームはいずれも優勝争いに参戦できず、鳥栖に至っては13年ぶりのJ2降格を余儀なくされたが、マルセロ・ヒアン自身は怪我で離脱した夏場と11月を除いてフル稼働。その時期にピッチに立てていたら、20点越えも十分にあり得るほどの得点力を示していた。 「フォワードに求めるのは、一番はゴールを決めること」と日本代表の森保一監督も口癖のように語っているが、やはりゴールを決めてくれる外国人FWの有無はチームの成績に直結する。そういう意味でも、この3人が好評価されるのはしかるべきである。 この中でMVPに該当するのは、やはりアンデルソン・ロペス一択だろう。J1ゴール数のみならず、ACLEでのコンスタントな結果など、彼こそが2024年最高のストライカーだというのに異を唱える者はいないはず。 横浜は来季から元イングランド代表ヘッドコーチのスティーブ・ホーランド監督を招聘したが、新指揮官のもとでアンデルソン・ロペスがどう進化していくかは興味深いところ。この選手には2025年もJリーグをリードし続けてもらいたい。 取材・文●元川悦子(フリーライター)