30日開幕 高校サッカー注目の5選手
今回で92回目を迎える全国高校サッカー選手権が12月30日より、一都三県を舞台に開幕する。果たして優勝はどの高校か。そんな勝負の行方を占う楽しみがあるのは言うまでもないが、ここではJリーグ入りの内定している注目の選手を5人ピックアップしてみたい。近年では大迫勇也(87回大会得点王、鹿児島城西高校→鹿島)などが花開いたこの選手権。それに続く選手を探すのも、選手権の醍醐味だ。 ■市立船橋 石田雅俊と磐瀬剛 まずは夏の全国高校総体を制し、今大会も優勝候補筆頭の呼び声高い市立船橋(千葉)の二人。10番を背負うエースの石田雅俊と、伝統ある“イチフナの5番”を預かる磐瀬剛の両名は、そろってJ2京都への加入が内定している。石田は巧みな足技に加え、「教えられないものを持っている」と朝岡隆蔵監督も太鼓判を押す驚異的なシュートセンスが売り。初めて観る人であれば、相手GKの意図を難なく外してしまうその感覚に驚くはずだ。ただ、精神面でやや未熟な部分があり、そこはプロ入り後の課題と言えるだろう。 一方、守備の人である磐瀬は「おっさんがプレーしているのか?」と疑問を覚えるような老練な守備技術の高さが光る。上背はそれほどないものの体も強く、対人能力は非常に高い。ただ、実を言うと密かな攻撃好きでもあり、機を見て持ち上がって相手守備陣をかき乱すプレーもチームのアクセントとなる。攻守の二枚看板と言うべき両名の出来は、イチフナ優勝のカギともなりそうだ。 ■京都橘 小屋松知哉と永井建成 もう一つの候補、前年度準優勝校である京都橘(京都)にも二人のプロ内定選手がいる。一人は名古屋への加入が決まっている前大会得点王でもある小屋松知哉だ。驚異的な快足の持ち主で、対面したDFを“ぶっちぎる”プレーが真骨頂。観衆から思わず「ウイイレや」という言葉が漏れるほどの“速度差”を生かした突破には、ある種の爽快感がある。U-18日本代表ではMFでプレーしていることもあって、この一年でパスの味も知った感もあるが、やはり縦へのスピーディーな突破が最大の武器であることに変わりはない。