30日開幕 高校サッカー注目の5選手
そして京都橘にはある意味で小屋松以上のキープレーヤーが最後尾にいる。熊本への加入が決まっている守護神・永井建成である。前年度大会でも活躍していた彼の魅力は、動物的とも言える野性的なセービングだ。勇敢かつ素早い飛び出しはその象徴的なプレーで、「無謀では!?」と思わされても、不思議とジャストタイミング。GKながら足技もなかなかのもので、正確にパスをさばけるのも一つの売り。また、陽気なキャラクターで周りを盛り立てる彼の存在は、チームになくてはならぬものである。 ■立正大淞南 高橋壮也 最後の一人は、立正大淞南(島根)からJリーグ王者・広島への加入が決まっている高橋壮也(そうや)。驚異的な加速力と運動量を誇り、彼の目標とする選手にちなんで“出雲の長友”と称される高校年代最強のサイドバック。何度オーバーラップを繰り返しても速度の落ちないスタミナは、スタジアムで観ると驚きすら覚えるはず。“走り”でスタンドを沸かせることのできる数少ない選手であり、このアップダウンに付き合う羽目になった対面の選手が気の毒になるほど。技術・戦術共に課題も見え隠れするが、魅力も突き抜けている。そんな選手である。 選手権の魅力の一つが、こうした選手の青田買いにあることは言うまでもない。プロ内定選手が注目されるのは当たり前なので、それ以外の選手を探してみるのも楽しいだろう。特にまだ無名の1、2年生にそうした選手がいないかと当たってみるのは面白いはず。12月30日、国立での開幕戦に始まる戦いは、1月13日に再び国立に戻ってのファイナルを迎える。かなり寒い季節だけれど、確実に熱い試合を観られるこの大会。こたつでテレビ観戦もいいし、ちょっと足を運んでみるのもいいかもしれない。 (文責・川端暁彦/フリーライター、編集者)