秋に福知山線開業120周年 観光ガイドの会がフクレルで鉄道の歴史を研修
京都府福知山市の福知山観光ガイドの会はこのほど、活動の内容を充実させようと、鉄道の歴史などについて学ぶ研修会を開いた。福知山城公園内の福知山鉄道館フクレルで実地研修も行い、参加した会員11人が「鉄道のまち福知山」への理解を深めた。 JR福知山線・舞鶴線は11月に全線開業120周年を迎える。記念日に合わせて催しなどの増加が見込まれる中、ガイドの会としても福知山を訪れる人に満足してもらえるようにと、会員の知識向上を目的に研修会を開いた。 近くにある市丹波生活衣館で福知山に関わる鉄道の歴史についての座学を受けたあと、フクレルでの実地研修に移った。 元国鉄職員らでつくり、資料を多数提供している福知山フクレル支援の会(杉山勝章会長)の会員から、展示品やSLの構造などについての説明を聞きながら館内を巡った。 ジオラマ模型横に設置されている「通票閉塞器」の紹介時には、元国鉄職員でガイドの会の会長、塩見豊さん(89)が当時の話を交えながら使い方などを解説した。 単線区間で列車同士の追突や衝突を防ぐために、駅と駅の間など一定区間を一つの列車に占有させる通票閉塞式は、タブレットと呼ばれる通票を運転士に携帯させ、それを持つ列車だけがその区間を走行できる方式。通票閉塞器はその区間の連絡と通票の出し入れなどの確認に使われた。 塩見会長は「今はコンピューターで管理されているものが多いですが、昔は何もかもが人の手で行われていました。ほかにも館内には鉄道の歴史を伝える貴重な資料が多くあるので、その魅力をガイドが正しく紹介できるようになってもらえれば」と話し、参加者は熱心にメモを取ったり質問をしたりしていた。 ガイドの会に入って2カ月ほどという塩見均さん(74)は「住んでいるだけでは分からなかったことがたくさん学べた。活動に生かしていきたい」と話していた。