「ファクトチェックを担う団体の透明性をどう確保するのか」総務省検討会の座長・宍戸教授に聞く(後編)
「透明性の確保は伝統メディアにも跳ね返ってくる問題」
――そうすることと透明性の確保は関係ありますか? 宍戸:最大のポイントは、多くの知見が参加してよいものができること、それから透明性を高めていけることです。 同じ人間がいつも集まって議論していると、それこそフィルターバブル、エコーチェンバーのようになる。 ―――透明性確保のために、セーファーインターネット協会はどこまで情報を公開すべきだとお考えですか。 宍戸:セーファーインターネット協会の肩を持つわけではないのですが、おそらく協会の感覚からすると、「IT業界の業界団体としてこれほど透明性をもってやっている団体はない」と自分たちは思っているでしょう。ですが、政府機関を見る感覚でいくと、「いや、情報公開が足りてないでしょう」という話になる。そうすると、「じゃあ、既存メディアやネットニュースなどの情報公開はどうなんだ」となるわけです。 実は私は、JFCに批判があることは、よい機会だと思っているんです。この問題は、伝統メディアにも跳ね返ってくる問題です。これをきっかけに、ジャーナリズム全体の質、担い手の公平性や透明性を上げていく議論にもつながるといいな、と思っています。
フロントラインプレス