アニメ『ONE PIECE』の主題歌を歌う注目のロックバンドI Don't Like Mondays. YUとは何者か【まとめ】
3.【YU】アラビア語で「死者たちの広場」!? マラケシュの中心、ジャマ・エル・フナ広場で目にした驚きの光景とは?
1ヵ月という時間は、人が程よくモノを忘れるのにちょうどいい時間なのだと思う。 恋人からの連絡が1ヵ月途絶えたら、大抵の恋愛は終わりを迎えるし、好きな人の顔だって1ヵ月見なければ、どんな顔だったかと色々とぼんやりしてくる。まあ、人の記憶というものはいつだってそうあてになるモノでは無い。 前回僕のコラムが世に出てからだいたい1ヵ月が経過するので、読まれていない方はもちろん、読まれた方も、その記憶というのはほどよく霧の中を彷徨っている頃だろう。(僕の場合は大抵霧の中を彷徨っている) お察しの通り、今回は前回のお話の続き、旅の話。 モロッコが舞台となります。 とはいえ安心して頂きたいのは、前のモノを読まないといけないとか読み返したりする必要はありません。 ――そう。僕はその時、マラケシュのフナ広場にいた。 モロッコのマラケシュという街は新市街地という近代になってからできた街と、旧市街地という何百年も変わらぬままのシーラカンスのような、あるいはネズミのテーマパークの一角のような街で構成されている。
4.【YU】純粋無垢な小さな生命体を目の前にしたとき、自分の無力さと不甲斐なさを感じた
僕ぐらいの年代になると周りの友人達に子供がいるということがこれといって珍しいことではなくなってくる。そして、ここ最近も、親しくしている友人カップルにベイビーができたりした。 正直なところ僕自身、子供が得意というわけではない。と、まあこんなことを言うとアナタって冷たい人なのねと言われてしまいそうなので、一応弁解しておくと決して嫌悪感や苦手意識があるというわけではない。単に幼な子と言うだけで無条件に溢れんばかりの父性で脳内を満たし、抑えきれない豊かな愛情表現で相手を包みこむことができるわけではないと言う意味である。 子供というのはもちろん、赤ん坊となれば無条件に可愛いというのは全く否定するつもりはない。ただその可愛さを裏打ちするように存在する、何の下心も企みも、汚された思想も持たない純粋無垢な存在を前に、僕は自分の無力さと不甲斐なさを感じずにはいられず、ただただ呆然とするほかにないということである。 それに比べると、犬や猫のような動物たちの方がいくらか簡単にそして単刀直入に、その造形的な可愛さの直球、ど真ん中ストレートボールを僕のキャッチャーミットに投球してくるのかもしれない。 要は、どうすればいいのかわからないのだ。