仏極右、過半数確保への道狭まる-競合政党が213選挙区で候補調整か
(ブルームバーグ): マリーヌ・ルペン氏が実質的に率いるフランスの極右政党、国民連合(RN)の議会過半数獲得に向けた道のりが険しさを増した。国民議会(下院)選挙の決選投票でRNに有利な三つどもえの争いとなる選挙区を大幅に減らすことで、競合の政党が候補者を調整した。
フランス紙ルモンドの集計によると、上位3人が決選投票に残った306の選挙区のうち、213選挙区で現地時間2日午後6時の締め切りまでに候補者が届け出を見送ると明らかにした。
極右への対抗票が割れることを避けるため、候補者を撤退させるのはフランスでよく使われる選挙戦術だ。通常であれば2人以上の候補者が決選投票に進む選挙区は多くないが、今回は投票率の上昇で大幅に増えた。理論的には、三者による争いであれば第1回投票で大きなリードを記録したRNの過半数議席獲得は比較的容易になる。
決選投票の最終的な候補者名簿は3日まで公表されない可能性が高い。三つどもえとなる選挙区がまだ96あるとはいえ、候補者が減る見込みの選挙区の多さはルペン氏にとって打撃になる。
ルモンドの集計と第1回投票の結果を重ね合わせたブルームバーグの分析によると、候補者が撤退する選挙区の大半は、三つどもえの状態ではRNが優勢だった。
研究誌ルグラン・コンチネントは、第1回投票と決選投票の投票行動の変化も加味するとRNの獲得議席数は225-262となる可能性があると分析した。
ルペン氏も過半数に必要な289議席には届かないと考え始めている兆しが見られている。同氏は2日、過半数を満たすため他党の議員に接触する意向を示した。
RNのバルデラ党首は以前、同党と協力政党で過半数を確保できる場合にのみ首相就任を受け入れると述べていた。
関連記事:
原題:Le Pen’s Path to Power Narrows in French Game of Election Chess(抜粋)
--取材協力:James Hirai.
(c)2024 Bloomberg L.P.
William Horobin, Tom Fevrier