“つながらない権利”で……72.6%が「勤務時間外の連絡拒否したい」 ストレスや「睡眠の質」悪化も【#みんなのギモン】
■フランスやオーストラリアでは?
近野解説委員 「海外では法律で、つながらない権利について定めているところも出始めています」 「フランスでは2017年から法律で、従業員50人以上の企業は、勤務時間外のメールの取り扱いについて労使で協議するよう義務付けています。つまり『拒みたい』ということを協議の場で労働者が言えます」 「オーストラリアでは今年2月、従業員が勤務時間外に仕事の連絡を無視しても不利益な扱いを受けないという『連絡遮断権』、つまりつながらない権利を定めた法律が制定されたばかりです」
■「権利」を守るアプリを開発した企業も
刈川キャスター 「日本ではどうなのでしょうか?」 近野解説委員 「日本ではまだ法整備の動きまでは進んでいませんが、企業レベルなどで導入しているところもありますし、つながらない権利を守るためのアプリを開発した企業もあります」 「レッドフォックスが2021年から提供する『cyzen(サイゼン)』で、退勤後の社員に連絡を取れなくする設定ができます。このアプリは勤怠情報も兼ねて管理し、アプリに『退勤した』と登録されれば、電話やチャットでの連絡が取れなくなるということです」 「通知が行くだけでも仕事との距離を保てず、離れられません。しかしシャットダウンされることで物理的に仕事との距離を保つことができますし、勤務外のサービス残業も防げるといいます」 「導入した企業からは『業務上の連絡がプライベートな時間に来る心配がなくなり、ストレスが減った』という声が聞かれたそうです」
■時間外の連絡は「回復」を奪うこと
近野解説委員 「一方で細川教授は、日本でつながらない権利について一律のルールを定めるのは難しいかもしれないといいます。それでも企業・職種ごとに仕事とつながらない状況をできる限り作り、まずは各所にそれを理解してもらうことが大切だといいます」 「その上で考えるべきは『休みの質』だそうです。仕事を気にせずしっかり休んで回復することで、より良いパフォーマンスを生み出すことにつながります」 近野解説委員 「私たちの不用意な連絡は、その回復の時間を奪っていると気づくことが第一歩だと、私は今日気づきました」 鈴江アナウンサー 「いつでもどこでもつながって仕事ができるようになりました。すごく便利になってテレワークも進み、効率的になっている部分もある半面、非効率な部分もあります。便利さを使いこなすためにもマイルールを作ったり、職場のルールを整えたりするのは大事ですね」 近野解説委員 「そうなんです。やり方はいろいろあるそうですので、研究する余地は非常にある案件です。特に私たちの仕事ではやりがちですので…。気を付けたいと思います」 (2024年4月5日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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