“つながらない権利”で……72.6%が「勤務時間外の連絡拒否したい」 ストレスや「睡眠の質」悪化も【#みんなのギモン】
■勤務時間外の連絡は?…連合が調査
近野解説委員 「日本労働組合総連合会(連合)が去年9月、正社員や派遣社員、パート、フリーランスなど働く人1000人(18~59歳)に行った調査によると、『つながらない権利によって勤務時間外の連絡を拒否できるのであればそうしたい』と答えた人は72.6%でした」
■62.2%が「ストレスを感じる」
「実際はどうか。勤務時間外に部下や同僚、上司などから業務上の連絡が来ることがある』と答えた人は72.4%でした。このうち週に1日以上あると答えた人は42.4%で、ほぼ毎日という人も10.4%いました。こうした連絡に、62.2%の人がストレスを感じていました」 山崎アナウンサー 「連絡というのは電話、メール、チャットですか?」 近野解説委員 「いろんな形の連絡です」 山崎アナウンサー 「ストレスに感じている方はやっぱり多いんですね」
■大学生「『仕事あるからごめん』は嫌」
近野解説委員 「『ごめんごめん』と言いながら、後輩や部下に連絡することはありますよね?」 鈴江アナウンサー 「あります」 近野解説委員 「良くないですね…。街では子どもの立場を含め、こんな声が聞かれました」 小売業(30代) 「(休日の連絡は)ないに越したことはないですけど、早期対応した方が、後々自分の仕事が早く済みますので。(休日の連絡に)受け取り側が返す・返さないは、自分で判断してやった方がいいかなと思います」 建築関係(50代) 「別に連絡ぐらいはいいかなと思うけど、今の若い人たちはオン・オフがハッキリしてるから、そういうの嫌がるのかなというのは感じる」 大学生(10代) 「もしその日に家族で予定がある時に、(親が)急に『仕事あるからごめん』とかはちょっと嫌ですけど…」 鈴江アナウンサー 「夫が常にオンだと、例えば食事など家族団らんの時間も会話がそこで止まるんですよ。そのイライラが家族のみんなに伝染しちゃう、なんてことはありますね」
■つながらない権利の背景にICTの発展
近野解説委員 「この問題に詳しい青山学院大学法学部の細川良教授に聞きました。つながらない権利が必要とされる背景には、情報通信技術の発展、つまりスマホやタブレットがあればメールやSNSなどでいつでもどこでもやりとりが可能になってしまったことがあります」 「そして仕事と常につながっている状態というのは、心身の健康に影響を及ぼします。深夜に連絡などが来れば寝る直前でも作業することになり、睡眠の質が低下します」 「また、寝てる間に『もしかしたら連絡が来るんじゃないか』と心配していると、よく眠れないということも考えられます。睡眠の質が悪くなると、肉体的にも精神的にもマイナスを及ぼすというのは、皆さんも仕事柄あり得ますよね?」 刈川くるみキャスター 「ありますね。私は社用携帯を持っていないので、仕事の連絡もプライベートの携帯に来るんです。なので鳴るたびに一日中、『何かあったかもな』と思ってすぐに反応してしまうというのはありますね」 近野解説委員 「それは相当、小さくストレスをため込んでいると思います」