【イトウという魚】ソコにいた!?でっかい道の小さなマボロシ
え?そんなはずじゃなかったのに!想定外の出来事が起こる・・・
事前にGoogleマップの航空写真で調べて、狙っていたポイントに入ると、雨などの影響なのだろうか流れが少し変わっている。元々1本の流れが、大小2本の流れになっていたのだ。普段の自分であれば、ビッグファイトを求めて大きい流れの方を中心にやるところだが、いったん冷静に。今一度ポイントを見直してみる。 できる限りイトウの好むポイントに近づけたい。小さい流れの方で、水量は少ないものの〝流れが緩やか〟で、〝多少のカーブや倒木などの変化のある場所〟を発見。規模は小さいものの、湿原河川チックで〝いかにも〟という雰囲気を醸し出している。このエリアを中心に攻めることにした。
まさか!?消極的なルアーセレクトが結果を生む!
イトウは水深の深いところを好むという情報もあったので、アップストリームにルアーをキャストして底をズル引きする戦法に。最初はシルバー系のシンキングミノーで攻めていたが、お察しの通り根がかりでロスト・・・。お財布事情的にもミノーは失いたくないと考え、スピナーにルアーチェンジすることにした。 ルアーケースには、黄色と赤のカラーを用意していた。秋には赤系のカラーが実績もあり、有効なイメージを持っているので迷わず赤系をチョイス。なんでこの色なのかは、以前釣りビジョンマガジンで書かせていただいた通り。 何度か流心脇をズルズル引きながら、時折トゥイッチを入れていると突然HIT!引きはそこまで強くなかったが、フリフリと頭を振るようなファイトで、いつも狙っているニジマスとは違う感じがした。 近づいてみるとなんと!20数cmのイトウであった。雑誌で見るような両手で抱えるサイズではなかったが、幻の魚に出会うことができたのだ。この後、せっかくなので大きいほうの流れでもやってみると、同じルアーでニジマスがフィッシュ。かわいいサイズだが、パワフルな引きを楽しませてくれた。
魚種により、釣り方を変えていくことの大切さを改めて実感
普段釣りをすると、より大物を求め、大きい流れやプールに注目しがちだが、今回は小さな流れの方が、よりイトウの住む湿原河川、ゆったりとした道北の流れにマッチしているだろうと、グッとこらえて小さな流れを選択をした。そして、小型ながらもメインターゲットとしていたイトウと出会うことができた。魚種やフィールドの状況によっては、むしろ小さな流れの方がポテンシャルを持っているかもしれない。そんなことを考えさせられた、今回の釣行であった。 また、普段はルアーロストが多いためミドルレンジを中心に攻めるのだが、今回はイトウということで、勇気を出して底を狙ったことも功を奏したと自負している。冷静になって、我慢の釣りを展開することができれば、出会いの幅が広がっていくのだ。また知識と経験を深めてチャレンジしていきたいと思う。
田村壮太朗 7歳から渓流釣りを始め、北海道・道東をメインにフィールドに釣り歩く。年間釣行日数は100日以上。