【婦人科医の更年期ストーリー ・小川真里子さん(54)】始まりは頭痛&めまい。HRT(ホルモン補充療法)を各種試しました
49歳で始まった頭痛とめまいが、更年期のせいと気づくまでに、時間がかかってしまったと話す産婦人科医の小川真里子さん。HRT(ホルモン補充療法)を開始し、患者さんに出す薬を実感するためにも、自身で様々な薬を試したそう。54歳の今は症状は安定。1日に1回のジェル、年に1度の検診は欠かさない。
始まりは頭痛&めまい。HRT(ホルモン補充療法)各種を試しました
《MY更年期STORY》 49歳の頃、仕事中に激しい頭痛に襲われる。その後も緊張すると頭痛が起こるようになり、頭痛薬を飲むが効かず。脳の検査では異常なし。同時にめまいも起こり始める。半年後にほてり、月経不順があり、更年期症状だったと気づく。さまざまな種類のHRT(ホルモン補充療法)を試し、症状が軽減。54歳の今も、HRTは継続中。
激しい頭痛が心配になり、脳の検査を受診
初めに「おかしいな?」と感じたのは、閉経前の49歳頃のこと。 「講演を行っている最中に、今までなかったような強い頭痛に襲われました。その後も緊張すると頭痛がたびたび起こるようになり、頭痛薬を飲んでも全然効かず。『このまま仕事を続けられるのだろうか』と不安になり、父が脳卒中で亡くなっていることもあって脳の検査を受診したところ、結果は異常なしでした」(小川先生) 次にやってきた不調はめまいだ。 「でもそのときは『これは更年期症状だ』とは思わず、何が起きているのかよくわからなかったですね。産婦人科医になり、早いうちから更年期外来にかかわっていたので、知識はあると思っていたのですが…。自分が更年期の症状に悩まされているのだと気づくまでには、時間がかかりました。その後、ほてりや閉経前の月経不順が出てきたので、ようやく自覚するに至ったのです」
HRT(ホルモン補充療法)は貼っても塗っても効果の差は感じなかった
現在54歳で、更年期の後半ぐらいかなというところ。 「不調が完全になくなったわけではありませんが、頭痛などは薬に頼ることは少なくなりました。ほてりなども落ち着き、調子はいいです。それはきっと、更年期症状に気づいたあと、さまざまな種類のホルモン補充療法(HRT)を試したからではと思います。 以前から、患者さんに出す薬などは本当にいいのか確認したい思いがあり、ピルも飲むとどうなるのか、自分で飲んで試しました。HRT(ホルモン補充療法)も同様、貼り薬の『メノエイドコンビパッチ』や『エストラーナ』、錠剤の『ジュリナ』、天然型黄体ホルモン、塗り薬の『ル・エストロジェル』など、新しいものが出るたびに試しました」 『メノエイドコンビパッチ』は閉経前後の女性は少量の出血が続くとか、『プレマリン』と骨粗しょう症治療薬『ビビアント』の組み合わせはあまり出血がないなど、いろいろなことはわかったが、体感としては、「効果は同じ」だったそう。 「年齢や症状によっては、『経皮投与のほうが錠剤よりも血栓症のリスクが低い』という決定的な違いがあるので、そこは注意が必要ですが、それ以外はライフスタイルや好みで選んでよいのではと思います。 私が今使っているのは、塗り薬の『ル・エストロジェル』。血中濃度が不安定にならないように、一日一回、必ず決まった時間に塗布するようにしていますが、今後も続けていく予定です。併せて検診についても、乳がん検診と子宮がん検診、血液検査は年に一度、欠かさずに行っています」