誰が予想できた!? 史上最強のJ1昇格クラブ6選。歴史に残るサプライズを起こしたのは?
サンフレッチェ広島(2009年)
監督:ミハイロ・ペトロヴィッチ リーグ戦成績:4位(15勝11分8敗) 主な獲得タイトル:なし 2007シーズンのサンフレッチェ広島は、守備が崩壊し、リーグ最多失点を喫した。シーズンを16位で終えたことでクラブ史上2度目のJ2降格が決定している。 ここでクラブは異例の決断を下す。それは、指揮官ミハイロ・ペトロヴィッチの続投だ。また、エースである佐藤寿人が残留を決意したことで、チームは大半の戦力を維持したままJ2での戦いに臨むことになった。 「ミシャ式」の攻撃的なサッカーでは、佐藤に加えて、青山敏弘や柏木陽介、槙野智章らフレッシュな選手たちが躍動。勢いに乗った超攻撃的な広島は、他のチームには手のつけられないレベルになっていった。 圧倒的な強さを誇った広島は、開幕から首位を一度も明け渡すことなく独走。最終的に、9月に優勝が決まるという文字通りぶっちぎりのJ2優勝を達成している。 勢いをそのままに、2009シーズンに広島はJ1の舞台に乗り込んだ。ペトロヴィッチが作る魅力的なサッカーはJ1でも猛威を振るい、チームは15勝11分8敗と好成績を残して4位フィニッシュ。昇格組ながら自分たちのサッカーを貫いたことが成功に繋がった。 この2009シーズンの躍進の要因は、J2降格後もペトロヴィッチ続投を決めた英断にある。監督の手腕を信じ、時間を与えたことでチームのベースが確立された。J2で自らのスタイルを磨き、自信をつけた広島は、全方位からゴールを奪えるチームへと進化を遂げたのだ。
サガン鳥栖(2012年)
監督:ユン・ジョンファン リーグ戦成績:5位(15勝8分11敗) 主な獲得タイトル:なし 残念ながら今季の結果によってJ2降格が決まってしまったサガン鳥栖だが、彼らがここまでJ1に残留し続けた事実を忘れてはならない。毎年のように主力を引き抜かれながらも、しっかりとJ1に定着。いわゆる「エレベータークラブ」にはならなかった。 鳥栖のJ1における闘いの歴史は、ユン・ジョンファン監督就任から始まる。2011年に就任した韓国人指揮官は、就任1年目からJ2で手腕を発揮。チームはリーグ2位フィニッシュとなり、念願だったJ1初昇格を達成した。 初めてJ1で戦うシーズンとなった2012シーズンは、開幕前から降格候補に鳥栖の名前が挙がるなど前評判が低い状況でスタート。しかし、鳥栖は予想を上回る躍進を見せる。 豊富な運動量を駆使したカウンターサッカーを志向したチームは、前半戦10位と中位でシーズンを折り返すことに成功。これだけでも十分にJ1で善戦していると言えるが、最終的に5位まで順位を上げる。 これはJ1昇格1年目のクラブの過去最高順位(当時)であり、2012シーズンの鳥栖は、初めてのJ1の舞台で最も成功を収めたチームであることが分かるだろう。 ユン監督の下でJ1昇格を達成し、上位躍進を遂げた鳥栖は、2024シーズンまでJ1で戦ってきた。今季でこの歴史が終わってしまうことは残念だが、鳥栖がJ1初昇格後に見せた快進撃は決して色あせることは無い。
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