レバノン停戦、国会議長は新案に期待 南部でイスラエル兵6人死亡
【カイロ時事】レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエルの停戦交渉に携わるレバノンのベリ国民議会(国会)議長は、具体的な停戦案を待っているものの、これまでのところ何の新しい案も公式には受け取っていないと述べた。 ロイター通信が13日、アラブメディアに語った内容として報じた。 イスラエルが2006年にレバノンへ侵攻した際は、レバノン南部からのイスラエル軍撤退や、レバノン政府の同意を得ない兵器の存在禁止を定めた国連安保理決議1701に基づき停戦が実現した。同年の停戦協議に関与したベリ氏は、今回の侵攻でも同決議に基づく停戦が協議されているとした上で「レバノン側だけでなく(イスラエルを含む)双方が履行する必要がある」と指摘。レバノン南部に侵攻中のイスラエル軍の撤退が必要との認識を示した。 だが、イスラエルはレバノン駐留の国連部隊がヒズボラの軍備強化を阻止できていないと主張。イスラエルが必要と判断すればヒズボラへの軍事作戦を遂行できる内容でない限り、停戦に応じない姿勢だ。 イスラエルのカッツ国防相は13日、先週の就任後初めて対レバノン国境地帯を訪れ、「停戦はしない」と明言。国境の北約30キロのレバノン南部を流れるリタニ川以北へのヒズボラ部隊の撤退を含め、「戦争目的が達成されないような(停戦の)枠組みは許容しない」と強調した。 イスラエル軍は14日もヒズボラの影響力が強いレバノンの首都ベイルート南郊を空爆。同国南部への攻撃も続け、軍はこの1週間で200人以上のヒズボラ戦闘員を殺害したと発表した。一方、13日には南部での戦闘でイスラエル軍兵士6人が死亡。9月末の地上侵攻開始以降、死亡した同軍兵士は47人となった。