トランプ氏は耳を撃たれるも無事-FBIは暗殺未遂で容疑者特定
(ブルームバーグ): 11月の米大統領選でホワイトハウス返り咲きを狙うトランプ前大統領が13日、ペンシルベニア州バトラーで集会に臨んでいた際に銃声が聞こえ、その後、トランプ氏は右耳を撃たれたと明らかにした。
恐怖の出来事を受けて大統領選のキャンペーンには動揺が広がり、政治的暴力を非難する超党派の声が上がった。
トランプ氏が負傷したほか、集会参加者1人が銃撃により死亡し、この他に参加者2人が重体となっている。シークレットサービスは声明で、高い位置から発砲した人物を射殺したと説明した。
連邦捜査局(FBI)は声明で、発砲した人物としてペンシルベニア州ベセルパーク出身の20歳の男、トーマス・マシュー・クルックス容疑者を特定したと発表した。当局は事件を暗殺未遂と扱いつつも、動機の解明にはまだ至っていない。
同容疑者に犯罪歴はなく、共和党員の有権者登録があった。2021年1月には民主党有権者の動員を目指す組織に15ドル(現行レートで約2400円)献金した記録がある。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は事情に詳しい複数の関係者の話として、同容疑者が車の中に爆発物を積んでいたと報じた。車は銃撃事件の現場近くに駐車されていたという。
共和党全国大会に参加へ
トランプ氏の選挙陣営は声明で、同氏は「大丈夫だ」とし、15日からウィスコンシン州ミルウォーキーで開かれる共和党全国大会に同氏が引き続き参加する計画だと、陣営と同党全国委員会(RNC)の担当者が発表した。大会は18日まで4日間の日程だが、今回の事件を受けて警備が強化される公算が大きい。
トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、死亡した集会参加者の家族に哀悼の意を表するとともに、法執行当局者の対応に謝意を示した。
トランプ氏はその中で、「私の右耳の上部を銃弾が貫通した」とコメント。「ヒューという音、銃声が聞こえ、銃弾が皮膚を引き裂くのを感じ、何か悪いことが起きているのがすぐに分かった。大量の出血があり、何があったのか認識した」と説明した。