《どう避ける?》海外の格安通販サイトのリスク「返品・返金に応じてもらえない」「商品の安全性に問題」
格安で洋服やインテリア用品などが購入できるとして話題の「格安通販」。うまく使えば節約につながると思いきや、個人情報を抜かれたり、不良品でも返品ができなかったりと、非常にリスクが高いという。ネット通販が拡大している今だからこそ気を付けたい、格安通販や海外取引での注意点について、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんに詳しく教えてもらった。 【写真】グレーのおしゃれジャケットを着る”節約のプロ”丸山晴美さん。各方面から引っ張りだこの人気を誇る
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格安で買える海外の「格安通販」は要注意
海外の格安通販サービスは、広告などが多く出されているものもあり、見たことがある人も多いと思います。数千円はしそうなものも数百円の値付けになっているなど、さまざまな物を非常に安く購入できますが、実は危険性をはらんでいるので注意が必要です。 ◆中国系の格安通販は個人情報が抜かれるリスク まず、中国系の格安通販では個人情報が抜かれる可能性があります。「Temu」は「『拼多多』(ピンドゥオドゥオ)という中国ECサイトが運営元ですが、過去において購入者の個人情報などに不正アクセスしていることがわかり、米Googleはアプリを停止。その後海外向けに展開したのが「Temu」です。 中国系の格安通販サービスでは、購入した時のクレジットカード情報が不正利用されたり、アプリを入れるだけで個人情報が抜かれ続けたりする被害が報告されているので、購入だけでなく、アプリのダウンロードをするのも注意したほうがいいと思います。 ◆返品・返金に対応してもらえない可能性も 個人情報の問題だけでなく、買った商品が不良品であった場合に返品や返金をしてもらえないというリスクもあります。不良品の返品や返金は日本国内での取引ではもはや当たり前と言えるレベルのサービスですが、国内での取引では想定しづらいようなリスクが海外取引では発生します。値段につられるとそれ相応のリスクを負うことになるため、海外取引では特に注意しましょう。 ◆インターネット通販などにはクーリング・オフ制度は適用されない そもそも国内でのインターネット通販やテレビショッピングなどの通信販売には、法律上のクーリング・オフ制度は適用されませんので、ショップが定めるルールでの返品になります。海外通販ではそもそも返品が難しいことを肝に銘じるべきでしょう。 ◆商品の安全性に心配がある また、「Temu」や「AliExpress(アリエクスプレス)」で販売されているアクセサリーから、韓国での安全基準値を超える重金属が検出された例もあります。安全基準値は国によって異なるため、日本の基準値を超えた商品が届く可能性も否定できません。知らず知らずのうちに危険な商品を身につけて、健康を害する危険性もあるでしょう。