台湾出身の巨漢打者、大学最後のシーズンで悲願の優勝目指す プロ志望の日本経済大・林冠臣 7日開幕の福岡六大学野球
福岡六大学野球の秋季リーグ戦(西日本新聞社後援)が7日、北九州市の九共大野球場で開幕する。秋は勝率で順位を決定し、10月13日に最終日を迎える。今春のリーグ戦2位で、九産大と優勝争いを繰り広げた日経大は強打者の林冠臣(4年・日南学園)が打撃の柱として悲願の優勝を目指す。(前田泰子) ■卒業から2年、福大同期が1軍舞台で再会2ショット【写真】 195センチ、105キロの体格はドジャース大谷を上回る。スケール感たっぷりの体格を生かしたパワーあふれる打撃で、今や福六を代表する強打者だ。「毎試合、安打をコンスタントに打つことと、今春以上の5本塁打を狙います」。打線の軸としての自覚を口にする。 今春はリーグで最多の21安打をマーク。打率4割2分9厘と4本塁打は3冠を取った福工大の誉田(4年・福岡工大城東)に届かず「次点」で、11打点もトップと2点差だったが、敢闘賞とベストナインを獲得した。 ただ、九産大と首位を争っていたチームは直接対決で勝ち点を取れず2位。九産大にあと1勝すれば優勝はほぼ確実だったが決められなかった。「今までのシーズンで一番悔しかったけど、練習するしかない」。個人もチームも2位だった春の結果は大きなモチベーションになった。 「春は大きな当たりを狙いすぎてフォームが大きくなってしまった」と反省し、フォームを修正。「自分の力を100%出せるように」と柔軟性や可動域を広げるトレーニングにも力を入れた。 甲子園に憧れ、台湾から日南学園(宮崎)へ入学。「日本のプロに行きたい」という夢を抱いて日経大に進みラストシーズンを迎える。「今はリーグ戦を頑張りたい」と、プロの夢よりまずは2006年春以来のリーグ優勝を優先。目標を達成すれば、チームにも自分自身にも新しい道が開けてくる。 【展望】4季連続優勝を目指す九産大は春に最優秀選手賞(MVP)に輝いた浦田(4年・海星)が1番に座り打線を引っ張る。投手も春4勝を挙げた水崎(3年・沖学園)、春の防御率1位(1・09)だった大嶋(3年・西日本短大付)ら安定感のある右腕がそろう。2006年春以来の優勝を狙う日経大は林、富島(4年・美里工)らを軸とした強力打線が持ち味。九共大は左の佐々木(2年・情報科学)が安定している。福工大は春の三冠王、誉田(4年・福岡工大城東)が攻守の軸となる。明治神宮大会出場を懸けた九州大学野球選手権に出場するのは優勝チームのみ。勝率で争われる今季は1敗も許されない厳しい戦いが繰り広げられそうだ。