米韓連合がホンダ・日産のライバルに 欧州は中国に接近、次世代車競争へ大手が戦略修正
VWは収益力を抜本的に立て直すため、ドイツ国内の工場閉鎖を含む構造改革の実施を表明。その後の労働組合の反発で工場閉鎖は見送るが、ドイツ国内の生産能力を減らし、2030年までに3万5000人以上の従業員を削減する。ステランティスも販売不振の北米で人員削減を実施したのに続き、全体での追加削減も探っている。
ただ、組合の抵抗が強く、VWがどこまで迅速に収益体質を改善できるかは予断を許さない。ステランティスも今月、経営方針を巡り取締役会、大株主と意見の相違があったとされるカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)が任期途中で退任し、先行きが不安視されている。事業規模で世界のトップグループにいる両社の提携戦略と改革の行方は、主要市場の今後のシェア動向に少なからず影響を与える。
ホンダと日産の統合協議次第では、日産と大株主の仏ルノーとのEV協業の見直しなども浮上する可能性もあり、次世代車への移行期の自動車各社の優劣はまだまだ揺れ動きそうだ。(池田昇)