【ラグビー・関東大学春季大会】決勝の再戦 帝京大と明大は激闘の末にドロー。決着はシーズン終盤に持ち越し
その坂本はキックでも存在感を見せた。3本のコンバージョンはすべてポールの間を通し、41分にはゴール正面約20㍍のPGも確実に沈める。前半に獲得した4本のキックを難なく成功させ、明大が前半を19点差(24-5)の大量リードで折り返す立役者となった。 しかし王者も黙ったままでは終わらない。反撃の糸口としたのはセットプレー。明大に対して常に優位性を保ち、20分には敵陣5㍍のラインアウトからチャンスをつくり出す。硬く重いモールでじわじわと押し込み、最後はNO8のカイサ・ダウナカマカマがゴールエリアにボールを押しつけた。 スクラムでもハッキリとした違いを見せつけた。前半だけで奪ったコラプシングは3本。スコアは離されても、主導権を明確には渡さない。近年の帝京大を支える絶対的な武器が、後半はさらに火力を上げ、ゲームは前半以上に激しさを増していく。 とりわけマイボールは圧倒した。13分、自陣中央やや左寄りの位置でのスクラムでは、左PR平井半次郎がグッと前に出て崩し、キックで敵陣に侵入。ラインアウトから右のオープンスペースへとボールを動かし、タッチライン際でWTB山本晴大、CTB生田弦己と立て続けにオフロードでつなぐ。最後はFLグアイニ優人が仕上げて反撃の狼煙をあげた(24-10)。 24分には明治陣内5㍍ライン上で得た絶好の機会を活かす。大きく押し込んだあと、途中交代で入ったNO8倉橋歓太がサイドを強引に突破。ゴールラインを陥れ、チャンピオンチームはいよいよ勢いに乗る(24-17)。 そして27分、またも自陣スクラムでペナルティを奪った帝京大が、タッチキックで明大陣内へ。ラインアウトを投げ入れたHO當眞蓮がタテを突いてラックを形成。そのボールを拾ったカイサが約20㍍を走り抜け、前半に続いてトライ。SO大町佳生のコンバージョンも決まり、ついに24-24のタイスコアに持ち込んだ。