女子最年長38歳・荻原直子「卓球は運動神経が悪くても、おばさんでもできる」「卓球と仕事は共通する部分があって面白い」<全日本卓球2024>
昨年夏から札幌大学卓球部のコーチにも就任
勝つための卓球を貫き、考え抜いたからこそ培われた戦術、技術、経験が組み合わさった荻原のプレーは、若手選手が見習うべき点も多い。 その経験を買われ、昨年夏ごろからは札幌大学卓球部のコーチも務めるようになり、休日は指導にあたっている。 「今の若い子とまともにやりあったら勝てないどころか点数がそもそも取れない。その中で工夫を凝らして戦う。そういうところを大学生に見てもらえれば戦い方の幅も広がるんじゃないかなと思って、自分が勉強してプレーで試して、良かったことを皆に伝えていければなと思います」。 全国トップクラスの選手に対峙した今回の全日本の経験も、指導を通して還元していくつもりだ。
常に仕事と卓球を両立してきたからこそ見えたもの
荻原は現在、製版系の会社で営業として働いている。実業団のJR北海道に所属していた時から、昼はOLとして働き、夜に卓球の練習を行うという生活を続けてきた。 仕事に関して水を向けると「卓球と似ていて面白いのでずっと続けています」と笑う。 「卓球と仕事は共通する部分があって、それは『目標に対して戦術を立てて挑戦してダメだったらまた反省してを繰り返す』ところ。私は仕事も卓球もどちらも同時に経験できたことがありがたかった。『卓球だけじゃなくて色んな選択肢も生き方としてあるよ』というのを若い人に伝える立場にもなれたので」。 卓球のコーチとしてだけでなく、1人の社会人としても学生たちに向き合っていくつもりだ。 「今、指導させてもらっている札幌大学をインカレでベスト8以上に入れるようなチームに今後はできたらというのが目標です。『北海道の大学だから』『北海道のチームだから』って諦めるんじゃなくて、本州の強いチームの人でも同じ人間。ましてや卓球だったらなんとかなるというのを伝えていきたいです」。 試合後の囲み取材を終え、ミックスゾーンを去る際、「次、39歳なのでサ30代最後にマスターズに出るか迷ってるんですよね(笑)」とポロリ。現役選手としてもまだまだ北海道卓球界を盛り上げてくれそうだ。
山下大志(ラリーズ編集部)