「給与をPayPayで受取」スタート--従業員のメリットは?現金が必要になったら?
給与をPayPay残高で受け取れる「PayPay給与受取」の本格提供が11月5日に始まった。これまでソフトバンク社員限定だった同機能が、それ以外の企業の社員にも開放された。 【画像】PayPayで給与受け取りは「上限20万円」--超えた場合は PayPay給与受取は、「給与デジタル払い」の要件を満たすサービスだ。利用を希望する従業員は、勤務先が給与デジタル払いに対応しているかを確認し利用を申請する。その後、PayPayアプリの「給与受取」アイコンから申し込める。 なお、サラリーマンの給与の全額をPayPay残高で受け取ることは想定していない。これは、PayPayアカウントで保有できる「PayPayマネー(給与)」の上限が20万円であるためだ。これを超過した分は、事前に申請した本人名義の銀行口座に自動送金される。その際の手数料はPayPay側の負担だ。 前述の理由により、現実的なユースケースは給与の一部だけをPayPay残高で受け取るとか、アルバイトや副業の収入をPayPayで受け取るといった形だ。 従業員のメリットは? 同僚に「給与をPayPayで受け取りたいか」尋ねたが、皆一様に否定的だ。PayPayにもオートチャージ機能があるため、「PayPayへのチャージの手間が省ける」は大きなメリットにはならない。では同サービスのメリットはどこにあるのか。 同サービスを導入したオービックビジネスコンサルタントは「従業員の貯蓄ニーズ」を挙げた。 PayPay給与受取は、給与振り込みの「第2口座」として、給与の一部だけをPayPa残高で受け取ることもできる。通常の銀行振込は貯蓄用、PayPayには毎月自由に使って良いお金だけを受け取れるようにすることで、使いすぎを防止できるという。 また、副業やアルバイトの給与の支払手段を多様化させたい狙いもあるようだ。引越大手のサカイ引越センターは、同サービスについてアルバイトや副業での日払い・週払いの給与に限定すると説明した。 急遽現金が必要になったら? PayPayで受け取った給与は、本人名義の銀行口座へ送金が可能だ。その際の送金手数料は月1回は無料だ。また「おまかせ振分」機能を使えば、毎月1回の指定日にあらかじめ設定した本人名義の口座に自動送金できる。家賃や公共料金の引き落としも同機能で対応できる。