【白タク】外国人観光客増加の一方で「無許可タクシー」問題化…クルーズ船寄港巡る取り締まりの現場(静岡)
静岡県内を訪れる外国人観光客が増加する一方でいま問題となっているのが自家用車を使い料金を受け取って客を運ぶ、いわゆる「白タク」行為。25日、その逮捕の現場を取材しました。 25日、午前7時前の清水港。港に姿を現したのは、アメリカの船会社が運行する「セレブリティ・ミレニアム」。約2200人の客を乗せ、24日に横浜港を出港し、25日朝、清水港に寄港しました。その様子を眼光鋭く見つめる人たちの姿が。実は、清水警察署の捜査員です。 近年問題となっている、クルーズ船の乗客に無許可でタクシー営業をするいわゆる「白タク」行為を取り締まるため、待機していたのです。すると、そこに一台の白いワゴン車がやってきました。ナンバープレートを見ると、緑色の営業ナンバーではなく自家用の白色。その車に、クルーズ船の乗客とみられる2人の外国人が近づき乗り込んでいきました。車は、清水港を出発すると高速に乗り御殿場方面へ。向かったのは山梨県の河口湖。 25日は天候が優れず見えませんでしたが、本来であれば、河口湖と富士山が一望できる外国人に人気のフォトスポットです。すると、ここで捜査員が動きました。問題の車の運転手から事情を聴きます。 (捜査員) 「確認するよ、今回あなたは白タクでいくらもらう予定だったの?お金は?お金はいくらもらう予定だったの?」 (容疑者) 「1万8000円」 (捜査員) 「そうだね1万8000円だよね。さっきカウントを見たら11:26:47~」 (捜査員) 「11時26分、道路運搬法違反で現行犯逮捕します」 道路運送法違反の疑いで現行犯逮捕されたのは、ベトナム国籍で25歳の男です。警察によりますと、容疑者の男は、清水港に停泊した客船の乗客に、無許可でタクシー営業、いわゆる白タク行為をした疑いがもたれていて、今後、余罪を含めて捜査するということです。 県内では、これまでも白タク行為を行った外国人が複数逮捕者されています。5月には、同じ清水港に寄港したクルーズ船の乗客に対し、マイクロバスで有料で観光地などを巡る契約をした疑いがあるとして、外国籍の男2人が逮捕されました。 さらに富士市にある、まるで富士山に登っているかのような写真が撮れると外国人観光客を中心に人気の「富士山夢の大橋」でも、6月、インドネシア国籍の男2人が、羽田空港から観光客18人に白タク行為をしたとして、道路運送法違反の疑いで逮捕されました。2人は、その後、静岡簡易裁判所から罰金15万円と30万円の略式命令が出されています。