神戸のプラネタリウムに衝撃作、席が取れないワケは「音楽」に「没入感がすごい」
開館40周年を迎えた「バンドー神戸青少年科学館」(神戸市中央区)で、英国のロックバンド「ピンク・フロイド」のアルバム『The Dark Side Of The Moon(邦題:狂気)』全曲を使ったプラネタリウムが特別に上映される。世界中で評判となったプログラムが関西で初上映されるとあって、早々に予約が埋まる回が出るほどの反響を呼んでいる。 【写真】反響が続々…実際のプログラムをチラ見せ ◆ 発売当初(1973年)は「プラネタリム」でプロモーション ジャズやクラシックの要素を入れた複雑なメロディと、哲学的な歌詞が特徴の「プログレッシブ・ロック(プログレ)」の四天王と言われるピンク・フロイド。1973年発売のアルバム『The Dark Side・・・』は、ときにキャッチーでときに神秘的な楽曲の数々と、現代人の不安感をストレートに反映した内容が絶賛され、世界でもっとも売れたアルバムのベスト3にランクイン(2024年現在)。ビルボードのチャートにも15年間ランクインしつづけ、ロングセラーのギネス記録を樹立している。 このアルバムは発売当時、プラネタリウムでプロモーションがおこなわれたが、それを最新のテクノロジーでよみがえらせたのが今回の作品。アルバム発売50周年を記念して、バンドが新たに作り上げたオフィシャル映像だ。日本でも2023年に初上映され、観客からは「没入感がすごい」「宇宙遊泳をしているような感覚」「ピンク・フロイド一秒も聞いてなくても楽しめる」などの声が。 ◆ きっかけは「洋楽好きな職員が提案しました」 副館長の早川知範さんは、開館40周年記念に本作を選んだ理由について「世代を問わず多くの方に科学館を楽しんでいただくことを目的に、最先端のエンタテインメントを積極的に取り入れようと考えていたときに、洋楽好きな職員が提案しました」と、ファンの一押しがあったことを明かす。ピンク・フロイドをリアルタイムで聞いていた50代以上の人だけでなく「若年層からの反応も少なくありません」と、狙い通り幅広い世代から注目を集めているそう。 通常の星座の解説とは違い、自由で宇宙的なイメージのビジュアルがドーム一面に広がり、そこに『The Dark Side・・・』の神がかりな楽曲が重なっていくさまは、むしろアルバムを聞いたことがない人の方が「この世にこんな音楽体験があったのか!」と、衝撃を受けるのではないだろうか。ちなみに早川さんいわく、くだんの職員のオススメは、アルバムの最後を飾る『Eclipse(邦題:狂気日食)』のシーンとのことだ。 上映は6月15・16・28・30日、7月12~15日の全8回で、開始時間は日によって、19時開始と17時半開始に分かれている。参加費は2000円(現金のみ)で、各回先着230名まで(未就学児入場不可。中学生以下は保護者の同伴が必要)。現在公式サイトにて予約を受付中だが、満席の回もあり。+500円で、ソファー型の「リラックスシート」が利用可能(当日先着順)。 取材・文/吉永美和子