メキシコ、2025年満期ドル建て債を繰り上げ償還-市場沈静化狙い
(ブルームバーグ): メキシコは来年償還期限を迎えるドル建て債を完済した。今月の選挙で与党が圧勝したことをきっかけに通貨や株式、債券が売られており、市場を落ち着かせる狙いがある。
財務・公債省の声明によると、政府は2025年4月満期の8億9400万ドル(約1400億円)規模の債券を繰り上げ償還した。今後の満期に関する40億ドル相当の借り換えの一部とした。ヨリオ財務・公債次官は来年満期の自国通貨建て債券の借り換えも行う予定だとX(旧ツイッター)に投稿した。
ヨリオ氏は「流動性に有利に働く金融オペレーションを継続するため、市場を注視していく」と表明した。
2日投開票の大統領・議会選でクラウディア・シェインバウム氏と左派与党、国家再生運動(MORENA)が地滑り的な勝利を収めてから市場は動揺している。 通貨ペソは対米ドルで10%強下落し、株式や債券も売られた。
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ブルームバーグのデータによれば、今回の繰り上げ償還で政府は来年期限を迎える主要ドル建て債の返済義務から解放される。こうした措置は、景気は堅調だとするシェインバウム氏の指摘やラミレス財務・公債相留任の確認など、市場の不安定な動きを抑えようとする政府措置の一環と見受けられる。
BBVAメキシコのストラテジスト、クラウディア・セハ氏は「政権交代の年には、退出する政権が次期政権のためにできるだけ物事を円滑にしておく傾向があり、繰り上げ償還もその一つだ」と指摘した。
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原題:Mexico Starts Operation to Cut 100% 2025 External Debt Payments(抜粋)
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Jose Orozco