「2CVとIDの間」を埋めた変顔! シトロエン・アミ UK版中古車ガイド(1) ロータリー仕様も
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1950年代の小型車、ナッシュ・メトロポリタンのオーナーズクラブ運営を、20年間も務めたというニック・サベージ氏。現在は、シトロエン・アミ8を溺愛している。 「自分が仕事を始めた頃、アミ8 ブレークを30ポンドで買って、半年ほど乗っていました。1995年からの5年間も、別のアミを所有していました。少し変わったクルマに惹かれるんですよね」 「シトロエンSMも所有していましたし、1950年代から1970年代のフランス車は、だいたい好きですよ。DSとSMは、特にスタイリングが素晴らしいでしょ。アミはかなり変わっていますよね」 「このアミ8は2年間探して、最近手に入れたばかり。1998年にレストアを受けていますが、シャシーはオリジナルのまま。初期の方が、品質は高かったんですね。アミ6も英国ではかなり珍しいですが、最近フィンランドから1台、運ばれてきたようです」 「できるだけ多くのイベントに参加しています。沢山の人が、このクルマを見ると喜んでくれるので。先週末のイベントでも、隣のジャガーEタイプより注目を集めていました。フロントにエンブレムがないので、シトロエンだとわからない人も多いですね」
英国で掘り出し物を発見
■シトロエン・アミ8 クラブ・ベルリン(欧州仕様) 登録:1974年式 走行:5万685km 価格:9200ユーロ(約152万円) 上級のクラブ・グレードが与えられた、フランス仕様。メタリック・グリーンのボディ塗装が、時代を感じさせる。トリム類に欠品はなく、綺麗にレストアを受けているように見える。 後期型のエンジンが載り、電気系統は電圧12Vへ昇圧済み。すぐに走れる状態で、最近の点検整備を含む多くの履歴と請求書のファイルが付属する。安くはないものの、状態を考えれば納得。悪い例をここまで仕上げるのには、相当な費用と手間が必要になる。 ■シトロエン・アミ8 ベルリン(欧州仕様) 登録:1973年式 走行:10万3173km 価格:6450ユーロ(約106万円) スペインの工場で作られた車両で、厳密にはシトロエン8が正式名称。スペイン仕様なためシャシー番号が異なり、ディティールもフランス仕様とは違う。内装などの一部には、現地で調達された部品が用いられ、交換部品の入手は通常より難しい。 しかし、少しくたびれた雰囲気がお好きなら、望ましい佇まいといえる。新車時からのワンオーナー車で、販売店は新車同様のシャシーだと説明している。艶を失ったボディには、いくつかの擦り傷や凹みはあるようだが。 この続きは、シトロエン・アミ UK版中古車ガイド(2)にて。
マルコム・マッケイ(執筆) ジェームズ・マン(撮影) 中嶋健治(翻訳)