叙々苑が食べられる品川の「高級フードコート」、実際に行ってみてわかった素晴らしさとは? ビジネス街の反対側「高輪口」にオアシスがあった
まずはピザ、注文した「ナポレターナ」はトマトソースにモッツァレラチーズ、アンチョビなどがのっている。生地はその名の通り、もちもちとしたナポリ風。薄めなので持ち上げるとトッピングの重さにへたって食べにくい。 おとなしく、添えられていたナイフとフォークで食べるのがベターなようだ。トマトの甘みを感じるソースと、惜しみなくのせられたアンチョビの塩気がマッチしている。見た目だけでなく、味も非常に本格派のピザである。
いよいよ真打ちの焼肉重を実食。見た目は牛丼風だが、牛丼とは違って玉ねぎが入っていない、牛肉一本勝負。脂身の硬さなどは全くなく、肉の風味と脂のうま味、やや甘辛めの味付けでご飯が進む。隅にある紅一点、キムチも単に酸味や辛味を感じるような単純なものでなく、本格派の風味がある。 ピザと焼肉重、いずれも一般的なフードコートでは味わえない味、そして高級感だ。それに叙々苑を青空の下で食べる体験など、フードコートでしか味わえない。
これまで青空の下で食べるものの中で一番うまいものは、ぶっちぎりでおにぎりだと確信していた私であったが、その牙城を揺るがしかねないほどに、うまかった。 ちなみに冒頭から高級フードコートと書いていたものの、ピザは1枚でそこそこの量。1500円ほどであり、4人家族であればピザ2枚に加え、お好み焼きやたこ焼きなどをチョイスすれば、ちょっとしたところで外食するのと同じか、やや安いくらいに済ませられるのではないか。
家族だけでなく、友人とのお出かけやデートなどにも適しているのはいうまでもない。 【画像】品川キッチンの「高級フードコート」は身近なオアシス、有名店を背伸びせず楽しめる場所だった…品川の街とフードコートの様子を見る(26枚) ■身近なフードコートでも、高級感は味わえる 腹ごなしを済ませて駅に戻り、アトレのブルーボトルコーヒーでテイクアウトをして家路に着いた。 身近な存在であるフードコートでも、高級感や豊かな時間を味わうことはできる。そうしみじみ思った一日であった。
鬼頭 勇大 :フリーライター・編集者