低迷期には「過去の人」扱いも『オールスター感謝祭』を機に再ブレイクした森脇健児「西川のりお師匠の言葉で57歳の今も走り続け」
■副業はしない「過去の人扱い」でも芸能界で勝負 ── 唯一やらないこととは、なんでしょう? 森脇さん:芸能の仕事に関係のない「副業」です。仕事がないときに限って、わけのわからない儲け話を持ちかけてくる人がたくさん寄ってくるんですよ。「焼肉屋さんの名前貸しをやってほしい」「月20万円でワインバーをプロデュースしませんか?たまにくるだけでいいので」とか。そういう話にはいっさい耳を貸しませんでしたね。 ── もしも自分なら…と考えると、心がグラついてしまいそうです。「二足の草鞋」という選択肢もなく?
森脇さん:僕が勝負をする場所はそこじゃないと思っていましたから。それに、二足の草鞋ができるほど器用なタイプではないですし、余計なことをしたら、芸能の神様に見放されてしまいそうで。古い人間かもしれませんが、やっぱり仕事というのは、頭と体をめいっぱい使って、汗をかく。その対価でお金をもらえるというのが、ぼくの考えですね。 ── 再浮上のきっかけとなったのが、2003年、TBSの『オールスター感謝祭』の人気コーナー「赤坂5丁目ミニマラソン」での初優勝でした。
森脇さん:売れなくなってから『いきなり!黄金伝説。』の1万円生活や『マネーの虎』にも出たけれど、向かい風が厳しくて、世間がぼくを求めていないことを痛感していました。だから『オールスター感謝祭』のマラソンで優勝したときも、誰にも応援されず、「空気読め」と言われ、過去の人扱い。でも、司会の島田紳助さんと島崎和歌子ちゃんだけは喜んでくれて、うれしかったですね。見てくれている人はいるんだなと。
■西川のりお師匠の言葉で走り続けることに ── 以来、「走る仕事」が急増しました。 森脇さん:走ることを続けようと思ったのは、西川のりお師匠の言葉がきっかけです。『オールスター感謝祭』で優勝した直後、のりお師匠から「森脇、お前が走るのも立派な芸やぞ。どんどん続けていけ」と言われたんです。番組のなかでギャル曽根ちゃんが、わんこそばの大食い企画をやっていたのですが、それを見ながら師匠はこう続けました。「ギャル曽根は黙って食べ続けているだけでテレビにアップで映ってる。これはほかの誰もマネできない。これこそが芸やで」と。