冬のお楽しみは、なんといっても星空&オーロラ観察という〈ハイランドベース・ケルリンガルフェル〉!
アイスランド中央部、ハイランド地方は人が定住できる環境ではない。住んでいるのはホッキョクギツネくらい。店などは存在せず、道路は未舗装。空を突く山並みに、赤銅色の流紋岩の山肌、そしてあちこちから地熱の蒸気が噴出している。そして冬ともなると、すべてが雪に埋もれる。そんなハイランド地方で、2020年に環境庁によって自然保護区に指定されたケルリンガルフェル山脈。1500m級の峰が続く、この国で3番めに大きな地熱地帯だ。そのエッジに〈ハイランドベース・ケルリンガルフェル〉は、忽然と現れる。
この地に人が訪れたのは、1930年頃。1937年には観光協会によって山小屋が建てられた。1961年には、夏ともなると“最高の休暇先”として何千人ものアイスランド人が押し寄せるように。やがてここは山小屋からスキーリゾートになり、そして2023年7月に現在のスタイルで再オープン。 改装にあたり、英国のグリーンビルディング認証BREEAM(ブリーム)に従い、持続可能性を重視。28室のホテル、20室のホステル、6棟のプライベートロッジ、そして手頃な7棟のハット(小屋)と広大なキャンプ場からなり、予算や目的によって選べるようになった。レストランや地熱の温泉施設もあり、どこからもケルリンガルフェルの山並みが望める。 営業は一年中。冬のお楽しみは、なんといっても星空&オーロラ観察だ。人里離れた地であり、建物も照明を最小限に抑えた設計ゆえ、惑星や恒星、星雲、銀河が迫ってくるよう。夜空を舞うオーロラも期待大だ。ガイドつきのバックカントリースキーやスノーモービルツアーも是非体験したい。最初の山小屋からは遥かに魅力的になったリゾート。でも、辺境を目指す冒険家たちに与えるときめきはずっと変わらない。
何世紀もの間、神話や民話の舞台だった地。ホテルタイプの部屋は、新しい“ハマーウィング”にデラックスとスイート、“アルダンウィング”にスタンダードルームが入っている。