高島礼子 俳優デビューは松平健に声をかけられた『暴れん坊将軍III』降板時にもらった"珠玉の言葉"
「お礼は女優として大成することです」
――高島さんが演じたのは御庭番衆の梢ですが、演技経験なしで人気時代劇ドラマのレギュラー出演は大抜擢ですよね。 演技未経験とお伝えしたら、現場で覚えてくれればいいということだったので、それに甘えて、そのまま入ってしまいました(笑)。全くのド素人だったんですが、京都太秦撮影所という歴史のある場所が良かったんですよね。皆さん親身になって教えてくださいました。 厳しい世界ではあったんですが、俳優としての意識も含めて、ここで学んだことが今に活かされているので、今の自分がいられるのかなと。松平さんは多くを教えてくれる方ではないんですが、背中で教えてくれましたし、練習にも付き合ってくださいました。 ――25歳という年齢だから、厳しい環境にも耐えられたところもありましたか? モデルとして厳しいところではあったし、先が見えなかったから頑張れたのはあるかもしれないですね。最初は半年間という契約でしたが、とにかく楽しんで、やれるだけやろうという気持ちでした。結果的に一年半に渡って出させていただきましたが、その後も長く続いたシリーズだったので、『暴れん坊将軍III』に出演できたことは私の自慢です。 ――いつぐらいから役者を仕事にしようと思いましたか。 『暴れん坊将軍III』でレギュラーをいただき、太秦で貴重な経験をさせていただいて。せっかく大きなチャンスをいただいたんだから、ちゃんと女優として頑張ろうと思いました。 『暴れん坊将軍III』を降板するとき、スタッフさんに「皆さんにどうお礼をしたらいいんでしょうか?」とご相談したんです。そしたら、「あなたが、どんなお礼をしたところで誰も喜ばない。みんなにお礼を言いたいんだったら、女優として大成することです」と言っていただいて、すごく心に響きました。 確かに私が高級な菓子折をあげたって誰も喜ばない。お金もない人間が無理をしてもしょうがないんですよね。皆さんが時間と労力をかけて教えてくださって、応援してくれた分、女優として大成して頑張っていくことが、皆さんに対しての恩返しだと思いました。