「勝率5割」のソフトバンク海野隆司 「拓さんは試合に出続けていた」 フル1軍で知った甲斐拓也のすごみ 正捕手流出危機で誓ったのは…
◆ソフトバンク秋季キャンプ(13日、筑後) ソフトバンクの海野隆司捕手(27)が13日、勝てるキャッチャーへのレベルアップを誓った。申請最終日に甲斐拓也捕手(32)が国内フリーエージェント(FA)権の行使を表明。2017年から正捕手を務めてきた扇の要が流出する可能性がある中、捕手では甲斐に次ぐ51試合に出場した海野にかかる期待は大きい。 ■元タレント夫人と腕組みハニカミ2ショット【和田毅秘蔵写真】 5年目の今季は「第2捕手」として出番を大きく増やした。主に大関友久や大津亮介と先発バッテリーを組み、38試合のスタメンマスクは自己最多だった。「いろんなことを経験できたのはすごく良かった。(捕手は)勝ったらうれしいし、負けたらもちろん悔しい。そこはすごく感じられた」と中身の濃いシーズンを振り返った。 8試合の出場に終わった昨季は大半が2軍暮らしだったが、今季は開幕からずっと1軍で過ごし、8シーズンにわたって正捕手に君臨する甲斐の姿を間近で見続けた。「もともとすごいと思っていましたけど、いざ今年(スタメンで)出てみて、よりすごさを感じた。本当にすごいキャッチャーだな」と強調した。 自身がスタメン出場して敗れたときに、甲斐のすごさを実感したという。「試合で(投手が)打たれ始めて、どうしたらいいか分からなくなった。でも次の日に試合に出なきゃいけない。切り替えの難しさ。引きずってはいけないけど、負け続けると怖くなる。それを拓さん(甲斐)はずっと試合に出続けていた。それを肌で感じた時に、すごい人だなと感じた」。 7月4、5、6日には3戦連続でスタメンマスクをかぶって、チームは3連敗を喫した。「1試合出ても次の日がベンチだったら正直、考える時間や切り替える時間もある。そんなにきついと思わないけど、前の日にやられて次の日にスタメンで出る時に切り替えの難しさを感じた」と1軍の厳しさを口にした。 今季、甲斐がスタメンの102試合は70勝29敗3分けと41の貯金をつくった。一方で海野の38試合は19勝19敗の勝率5割に終わった。「スタメンでも勝っている試合の途中で代わることもあった。悔しさはあったけど、後ろに拓さんがいるので自分も楽な気持ちでいけていた」と複雑な思いも明かした。 そんな頼れる先輩が来季もチームメートである保証はない。ソフトバンクを去った場合は、現時点では海野が「ポスト甲斐」の一番手に浮上する。「そこは分からないですけど、自分の中では課題がはっきりしている。それをつぶしてレベルアップしないと、1軍で試合に出ることはできない。まずは自分の足りない部分をレベルアップする」。残り少ない秋季キャンプで精力的に汗を流す。(小畑大悟) 【#OTTOホークス情報】
西日本新聞社