米決算シーズン到来で注目の5つのテーマ、潤沢な現金や利益率改善
(ブルームバーグ): 米株式市場は1-3月(第1四半期)に好調な展開を見せたが、ウォール街は今週からの決算シーズンが控えめなものになると予想している。
確かにS&P500種株価指数は1-3月に10%上昇したものの、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)がまとめたデータによればストラテジストらは指数構成企業の1-3月期は前年同期比での利益の伸びが2019年以降最低の3.9%にとどまると見込む。
ただ、このケースでは市場は何かを見抜いている可能性もある。23年10-12月(第4四半期)に予想が1%程度の伸びだったのに、実際には8%以上の増加となったように、予測が過度に暗いものであったと判明しかねないためだ。
BIのシニアアナリスト、ウェンディ・スーン氏は電話で、「トレーダーらは米連邦準備制度による年内利下げを予想しており、それが個人消費と経済活動のさらなる後押しとなり、ひいては業績の伸びと株価の上昇につながる公算が大きい」と語った。
今回の決算シーズンは、12日にJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、シティグループと早くも重要銘柄が並ぶ。その他、今週は世界最大の資産運用会社であるブラックロック、ステート・ストリート、デルタ航空も決算を発表する。
以下、5つの注目点を説明する。
成長の集中
回復力のある経済と堅調な消費者需要により、S&P500種構成銘柄は2四半期連続で増益が見込まれる。その前の3四半期は連続で減益だった。大手テクノロジー企業の高い利益率も重要な原動力となりそうだ。
「マグニフィセント・セブン」と呼ばれるアップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、エヌビディア、メタ・プラットフォームズ、テスラについては、1-3月期に38%増益が見込まれる(BI)。マグニフィセント・セブンを除いた他のS&P500種構成企業の利益は2%減が予想される。
ただ、ウォール街はこうした傾向は年の終わりには逆転すると予想。JPモルガン・アセット・マネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジスト、デービッド・ケリー氏がまとめたデータによれば、10-12月期にはマグニフィセント・セブンの利益成長率は15%と、S&P500種構成銘柄の他の銘柄の18%を下回る見込み。