【アルゼンチン共和国杯】スタミナが不可欠な条件 有力馬で適性が高いのは?/坂上明大の重賞血統査定
配合コンサルタントとして活躍する坂上明大氏が重賞の血統傾向を徹底分析し、出走予定馬の適性を査定する当コーナー。アルゼンチン共和国杯(GⅡ)の有力馬5頭をチェックします。 【評価は★5つが満点】 ※適性評価=血統を中心に馬体や走法などから今回の条件との適性マッチ度を評価 ※素質評価=血統、馬体、走法などから素質の高さを相対的に評価
〈アルゼンチン共和国杯の血統傾向〉
アルゼンチン共和国杯が行われる東京芝2500メートルはスタート直後から上り坂をこなさなければならない特殊なコース。日本ダービーやジャパンCなどが行われる東京芝2400メートルとは100メートルしか変わらず、当然長い直線で伸び負けない末脚は必須ですが、瞬発力重視のダービーやジャパンCよりも「いかに直線までスタミナを残せるか」が末脚の伸びにつながっている印象です。そのため、Robertoなどのスタミナに優れた血の活躍が目立ち、過去10年で最も人気薄で好走した2018年3着馬マコトガラハッド(11番人気)も母父がRoberto系ブライアンズタイムでした。
クロミナンス
母イリュミナンスはフラガラッハ(12、13年中京記念)、フェルメッツァ(17年小倉記念3着)、エスティタート(19年シルクロードS2着)などの半きょうだいで、母自身も13年クイーンCと15年クイーンSで3着がある実績馬。本馬自身は牝系の特徴が出た伸びのいい体つきで、Nureyevの5×4を中心にHyperion血脈を豊富に併せ持った万能タイプです。アルゼンチン共和国杯は5歳以上が苦戦傾向の重賞ではありますが、本馬はロードカナロア産駒らしく7歳になっても大きくはパフォーマンスを落としていません。 適性評価:★★★★ 素質評価:★★★★